戦略・会計・人事系コンサルティングの動向と業界の注目企業「PwCコンサルティング」

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2019年07月19日

戦略・会計・人事系コンサルティングの最近の動向

コンサルティングファームは、得意とするコンサルティング領域によって大きく4つに分類される。
4大会計事務所を母体とし、戦略から実行まですべてのサービスを手掛ける「総合系ファーム」。
経営戦略を得意とする「戦略系ファーム」。
人事制度や年金制度など人と組織に関するサービスに特化した「組織人事系ファーム」。
主にITシステムの導入による業務改革を得意とする「IT系ファーム」などである。
そして、各分類の代表的なコンサルティングファームとしては、下図にあるファームなどが挙げられる。

コンサル 企業分類

デジタルトランスフォーメーション(「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念)へ対応するため、また企業内の人材不足を背景に、コンサルティング市場は急速に拡大している。
過去10年でアクセンチュアの従業員数は2倍以上に増加し、国内系総合型コンサルティングファーム、ベイカレントの売上高成長率は2018年2月期に19%に加速し、19年2月期も15%を超える高い伸びが予想されている。

ベイカレント同様に、上場企業である人事系コンサルティングファーム、リンクアンドモチベーションの売上高も、09年12月期から18年12月期に71億円から399億円に増加し、IT系コンサルティングファーム、フュチャーアーキテクトの親会社であるフューチャーの売上高も09年12月期から18年12月期に236億円から402億円に増加する高い成長を示している。
主要なコンサルティングファームは積極的にコンサルタントの採用を続け、またコンサルティング利用の需要喚起を続けていることから、当面このトレンドは継続することが期待される。

サービス別に見ると、戦略、財務、業務改善、組織改革、ガバナンス、コンプライアンスなど多くの領域でコンサルの利用増加が続いている。
特に戦略領域においては、デジタル戦略の策定支援など包括的なデジタルトランスフォーメーション支援案件の増加などにより、成長率が高まっている。
産業分野別でも金融、製造、流通、通信/メディア、政府/公共、いずれの分野でもコンサルの利用は広がりをみせている。
現在、日本のコンサル市場の規模は1,800億円~3,000億円程度と推計されているが、早くからコンサルティングサービスが普及した米国では、市場規模は6~10兆円程度あるとされており、国内コンサル市場の成長余地は依然大きいと考えられる。

コンサル 企業業績

業界の注目企業…PwCコンサルティング

PwCコンサルティングは、国内に1.900人のスタッフを擁する総合コンサルティングファーム。
世界158カ国、236,000人以上を有するPwCグローバルネットワークが持つ幅広い業界専門性やナレッジを活用するとともに、PwC Japanグループにおけるディールアドバイザリー、監査、税務 、法務のスペシャリストと緊密に連携し、企業の経営課題の解決に向けてグローバルレベルの支援サービスを提供している。

PwCのコンサルティングサービス提供事例として、大手海運会社のコンテナ船事業の統合プロジェクトをサポートした案件を取り上げたい。

2016年には韓国最大で世界でも7位の船腹量を有するコンテナ船運航大手の韓進海運が経営破綻し、17年もコンテナ船市況が低迷するなか、多くのグローバルな船運行会社が様々な生き残り策を模索していた。
この環境下で日本の海運大手3社の日本郵船、商船三井、川崎汽船は、各社のコンテナ船事業を統合して新会社を設立することを決定した。
 この新会社の立ち上げに伴い、PwCは次のサービスを提供した。

A.事業統合契約および株主間契約の締結前段階にて
PwCは統合対象事業のバリュエーションと財務のストラクチャリングを行い、新会社の運転資金額を試算したほか、統合の影響について会計・税務面の助言を提供した。

B.統合対象事業開始の準備段階にて
顧客は、大組織となる新合弁事業の統合に向けた全プロセスをゼロから構築する必要があった。PwCは1年以上にわたって、経理、財務、税務、企画を担う各部門における統合準備を支援。提供業務には、各部門の活動のプロジェクトマネジメントだけではなく、各国代理店子会社の会計システムの導入をはじめとする業務運営支援も含まれた。PwCは以下の主なサービスを提供した。

①ファイナンス部門全体のプロジェクトマネジメント
②事業計画の策定
③経営管理体制およびモニタリング資料の設計
 ④キャッシュフォーキャストおよびキャッシュマネジメント
 ⑤子会社設立のための投融資
⑥グローバルキャッシュマネジメントシステムの導入
⑦IFRS(国際財務報告基準)に基づくグローバル会計基準
 ⑧ファイナンス・オペレーション・ポリシー
 ⑨ファイナンス部門の業務フローと各種テンプレートの策定
 ⑩ERP(統合基幹業務システム)の導入・および業務マニュアルの準備、システムベンダーとの協働による稼働後サポートを含む
 ⑪税務コンプライアンスおよび移転価格ポリシーを含む税務ポリシー など

統合により、世界のコンテナ船市場で7%のシェアを有し業界6位となる「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス」が誕生し、18年4月よりサービスを開始した。


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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