不動産金融の動向と業界の注目企業「全国保証」

2019年08月29日

不動産金融の最近の動向

アルヒは国内最大手の住宅ローン専用金融機関。
2004年に全期間固定金利住宅ローン「フラット35」の取り扱いを開始して以来、業界最低水準の金利で「フラット35」を提供している。
18年3月期の「フラット35」の融資実行件数シェアは20%超となっており、8年連続でシェア1位、大手銀行を含む融資実行金額シェアでは全国5位となっている。

「フラット35」は民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する全期間固定金利の住宅ローン。
資金の受け取り時に返済終了までの借入れ金利・返済額が確定するため、長期間にわたるライフプランを立てやすい。

Casaは賃貸住宅の入居者に対し家賃の連帯保証サービスを提供している。
不動産管理会社や家主が代理店となり、「Casaダイレクト」や「家主ダイレクト」といった家賃債務保証商品を提供しており、不動産管理会社や家主から家賃債務保証会社として選んでもらえるよう取り組んでいる。
少子高齢化、晩婚などにより単身世帯は増加傾向にあるため、家賃債務保証サービスに対する需要は堅調に推移、16年1月期以降営業収益は増加が続いている。

日本モーゲージサービスは住宅産業の金融分野に特化した住宅金融ソリューション企業。
直接の顧客は消費者ではなく住宅関連事業者で、住宅ローンや住宅保険等の商品を提供。住宅関連事業者の事業支援を目的としている。

アサックスは不動産担保ローンの専門会社として一般事業者および個人に融資業務を展開している。
近年、営業収益は60億円台、営業利益は40億円台で推移している。18年4-12月期業績は前年同期比ほぼ横ばいだった。

あんしん保証は賃貸住宅の入居者に対し家賃の連帯保証サービスを提供している。
アイフルが大株主で商品の多様化と加盟店の開拓を進め、保証会員数や保証残高が増加し、営業収益は拡大が続いている。

不動産金融 企業業績

業界の注目企業…全国保証

全国保証の業績推移(出所:全国保証資料をもとにフィスコ作成)

全国保証では、住宅ローン保証を中心に信用保証業務を行っている。
住宅ローン保証会社は金融機関の系列会社が多数を占めているなかで、同社はいずれの系列にも属さない独立系の保証会社である。
独立系であることから多数の金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合、漁業協同組合、労働金庫など)と契約を締結し、住宅ローン保証サービスの提供をしている。

住宅ローンの借入は多額かつ長期にわたるケースが多く、金融機関は、借入人が借入金を返済できなくなった場合のことを想定し、不動産への担保設定のほか連帯保証の付与を貸出し条件とすることが一般的である。
しかしながら、個人が多額のローンの連帯保証を引受けることは容易ではない。
そこで、同社のような住宅ローン保証会社を活用することで、金融機関からの借入申込手続きが円滑に進められるようになる。
一方、金融機関にとっては、保証会社が連帯保証を引受けることで貸倒のリスクが軽減され、融資事業の促進につながっている。

業績は提携金融機関数の増加により、保証債務残高が増加し、営業収益・営業利益ともに拡大が続いている。
18年3月期末には提携金融機関は746に拡大し、銀行の81.8%、信用金庫の95.8%、信用組合の94.3%、JA(農業協同組合)の42.9%と提携関係を有している。

提携金融機関数の推移(出所:全国保証資料をもとにフィスコ作成)

新規保証実行件数および金額の推移(出所:全国保証資料をもとにフィスコ作成)

保証債務残高(出所:全国保証資料をもとにフィスコ作成)

中期経営計画では未提携金融機関との新規契約締結や金融機関との関係強化に向けた付加価値向上の取組みにより、20年3月期には保証債務残高を13兆5,370億円、新規保証実行件数を8万1,500件、営業収益451億円、営業利益335.1億円を目指すとしている。(18年3月期実績・保証債務残高を11兆7,893億円、新規保証実行件数を6万8,073件、営業収益395.99億円、営業利益311.79億円)


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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