機械・精密機器メーカーの動向と業界の注目企業「日本電産」

2019年07月25日

機械・精密機器メーカーの最近の動向

オークマは、グローバルな総合工作機械メーカー。
機械だけでなく制御装置も自社開発する機電情知一体の強みを活かし、独創的な製品、知能化技術の開発等により顧客の生産性向上に貢献している。
自律的に最適加工を行うスマートマシンをはじめ、工場全体の生産を最適化したスマートファクトリーの構築まで総合的に提案し、世界最高の「総合ものづくりサービス」企業を目指している。
景気減速により中国からの受注は振るわないが、国内外で航空機や自動車関連など取引先を拡大してきた効果が出ている。
2020年3月期の営業利益は330億円が見込まれ、12年ぶりに最高益となる見通し。

アマダホールディングスは、金属の板に穴を開けたり、切断や折り曲げ等を行うマシンを提供する。
複合機やロボット等を組み合わせた自動化の提案も行う。海外シェアの拡大に注力中。

ディスコは、半導体の切断・研磨装置で世界首位。
スマホ市場の減速により切断装置の販売が減少し、19年3月期は営業減益の見通しとなっている。

豊田自動織機は、多様な事業を展開するが、フォークリフト、カーエアコン用コンプレッサー、エアジェット織機では世界トップのシェアを有す。
20年ビジョンでは、次の3つを掲げている。
①産業車両、繊維機械の各事業を含む「ソリューション」ユニットでは、開発から生産、販売、サービスまで一貫して担う同社独自の事業として更なる成長を図る。
②カーエアコン用コンプレッサーやエレクトロニクス事業を中心とする「キーコンポーネント」ユニットでは、同社の技術力を活かして、世界中の自動車メーカーを中心とした幅広い顧客へ各商品においてキーとなる商品を提供する。
③トヨタ自動車向けの車両やエンジンの生産を担う「モビリティ」ユニットでは、生産面での強みを活かして、トヨタ車の一層の競争力向上に貢献する。

ナブテスコは、モノを精密に動かし止めるモーションコントロール技術に強み。
産業ロボットに不可欠なテクノロジーで、ロボット市場の拡大に伴い高い成長が期待される。

SMC
主力の空気圧機器は、圧縮空気の圧力をエネルギー源として、物を押す、つかむ、回すといった、人の手に代わるような作業をする。
産業ロボットに不可欠で高い成長が期待される。

住友重機械工業は、変減速機や射出成形機などに強みを有す。最大のウェイトを占める建設機械は米中向けに出荷が好調。

日立建機は、建機メーカーで世界3位の売上を誇る。
建設現場で利用される中小型油圧ショベル、また鉱山で利用される超大型油圧ショベル、ダンプトラックの世界需要は堅調だが、2010~12年頃と比較すると低位で推移する見通し。
この環境下でファイナンス、レンタル、中古車、サービスなどバリューチェーンを深化させ、新車販売への依存度を下げる戦略を進めている。

クボタは、農機メーカーとして国内首位で世界的にも高いシェアを誇る。
一部報道によると、主力のトラクター事業売上高は17年の5,590億円から、27年には約1.8倍の1兆円に伸ばす計画。
需要の伸びが期待できるインドや欧州を中心に、海外での販売を強化するようだ。

荏原製作所は、ポンプなど水処理関連機械を主力とする。
水インフラ市場では、中東、中国、東南アジアで需要が増加傾向にある。

千代田化工建設は、プラント建設大手である。
米国のLNGガス工事が難航し巨額損失を計上しており、三菱商事や銀行に金融支援を要請する見通し。
継続疑義注記銘柄となっており、予断を許さない状況になっている。

ダイキン工業は、空調事業の売上高で世界トップ。
世界的に空調需要が拡大しており、11年3月期以降、増収増益が続いている。
19年3月期も増収増益の見通し。中期経営計画では、21年3月期に営業利益3,480億円を目指す。

栗田工業は、水処理大手。
コンサルティング型の水処理薬品事業や水処理装置のメンテナンスなど、サービス事業の売上高が80%超となっており、安定的な業績推移が期待される。

ダイフクは、倉庫や工場でモノを動かすには不可欠なマテリアルハンドリングシステムを展開し、この分野では売上高で世界1位。
海外売上高比率は65%を超える。
イーコマースの拡大や人手不足により、物流施設での自動化ニーズは強く、19年3月期売上高は10年3月期比で約3倍となる4,600億円が見込まれる。

ブラザー工業の主力商品はプリンタやファックスであるが、先進国を中心にペーパレス化が進んでおり環境は厳しい。

グローリーは、通貨処理機が主力。急速に進化するテクノロジーによる決済の多様化や現金から非現金へのシフトにより、今後、経営環境は劇的に変化していくことが予想される。
同社では、通貨処理機等の開発で培ってきたコア技術を進化させ、人と協調するロボットのシステムエンジニアリング、高精度・セキュアな個体認証機能を幅広く提供し、変化を成長につなげていく方針。

ホシザキは、業務用製氷機で国内首位のシェアを誇る。
中食市場の拡大を背景に、食品工場向けに需要が堅調。18年に販売子会社で不適正取引問題が発覚し、管理体制の再構築を急ぐ。

日本精工は、ボールねじの生産量で世界トップ。
ボールねじは回転の力を直線の力に変換するねじで、半導体製造装置、産業用ロボット、工作機械の搬送や位置決めに使われる。19年3月期は世界景気の鈍化により減収減益の見通し。

NTNは、摩擦を減らすことでエネルギー消費を抑える「エコ商品」の軸受け(ベアリング)を主力商品として、グローバルに事業を展開。
産業機械市場向けでは、建設機械や鉄道車両、工作機械、農業機械、航空・宇宙、事務機器、風力発電装置など、様々な産業機械分野に向け、大小あらゆる種類の軸受に新技術を付加して販売している。
自動車市場向けでは、ハブベアリングや等速ジョイント、ニードルローラベアリングなどを中心に、世界各国の自動車メーカーや自動車関連メーカーに向けて新しい技術と新商品を提供している。

ジェイテクトは、トヨタグループの軸受け大手。ステアリングや工作機械も積極的に展開している。

ミネベアミツミは、極小軸受けに強みを持つ。
極小軸受けは、モーターが装備される多くの機器に利用される。19年3月期は世界景気の減速によりスマートフォン向けの需要が急減し、当初の業績予想を下方修正した。

安川電機は、産業用ロボットのシェアで世界大手。
世界的に工場の自動化ニーズは強く、売上高は10年3月期から18年2月期(同期は11カ月の変則決算)までにほぼ倍増となる成長を示す。

マキタは、電動工具のシェアが国内1位で世界でも4位。
世界約50カ国に直営の営業拠点を有し、海外売上高比率は80%を超える。

マブチモーターは、自動車電装品のモーターに強みを持つ。
パワーウィンドやパーキングブレーキ向けのモーターは好調だが、原料費の高騰などにより19年3月期は減益の見通し。

オムロンは、制御機器・FAシステムなどを世界で展開している。
主力の制御機器は、自動車関連向けが先進技術開発への需要の拡大により伸びているが、スマホ向け半導体関連の設備投資が弱まり19年3月期は減益の見通し。

ロームは、LSI(集積回路)や半導体素子が主力。
自動車業界では安全・環境へのニーズから電装品の実装率が向上しており、同社でも自動車向けが成長エンジンになっている。

三菱重工業は、総合重機のトップ。
事業セグメントは次の3つに分類される。
①ガスタービン、風力発電装置などの「パワーセグメント」、
②フォークリフト、化学プラント、交通システム、製鉄機械、大型フェリーなどを製造販売する「インダストリー&社会基盤セグメント」、
③民間航空機部品、ミサイル・戦闘機・戦車などを製造販売する「航空・防衛・宇宙セグメント」。
国産初の小型ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)は、最終飛行試験を開始しており、20年半ばには初号機の納入を計画している。

IHIは、航空・宇宙・防衛事業が利益の柱。航空エンジンは売上高で国内首位を誇り、80年代から国際的なエンジンプロジェクトに参加している。
民間航空エンジン市場は、新興国の経済成長や人口増加を背景に、年率平均5%の成長が見込まれる。
同社は小型から超大型まで、すべてのクラスのベストセラーエンジンの開発や量産に参画しており、これまでの累計販売台数は13,000台を超える。
燃費改善に必要な新素材の開発や独自生産技術などの技術力を持つグローバルトッププレーヤーとしての地位を確立しており、この分野を軸に持続的な成長が期待される。

機械機密機器メーカー企業業績

業界の注目企業…日本電産

日本電産の業績推移(出所:決算短信をもとにフィスコ作成)

日本電産は、売上高で世界ナンバーワンの総合モーターメーカー。
1973年の創業から「世界初」、「世界最小」といった他社では真似できない製品を世に提供してきた。
パソコン、スマホ、家電・AV機器、OA機器、産業機器、乗り物、ロボットなど身の回りにある多くのものにモーターは利用されている。
近年では車載用モーターの需要が大きく伸びており、高いシェアを獲得している。

創業は73年と大企業のなかでは比較的新しいが、今日では世界43カ国にグループ会社311社、従業員約11万人を有する企業になっている。

モーターを取り巻く技術革新として、自動車の電動化(電気自動車の増加)、ロボティクスなどが挙げられる。
現在でも多くの自動車の動力源はガソリンエンジンであるが、EV(電気自動車)、PHEV(ハイブリッドカー(HV)に外部充電機能を加え、電気だけで走れる距離を大幅に長くした次世代エコカー)では動力源はモーターに代わる。
またロボットの普及により、ロボット需要用減速機の需要の拡大が見込まれる。

車載モータの受注残高は着実に上積み

小型ロボット用減速機の~

これらの追い風を背景に、同社では利益ある高成長を追求し、21年3月期には売上高2兆円(18年3月期は1兆4,880億円)、営業利益率15%以上を目標として掲げる。
特に車載関連は18年3月期2,954億円から、21年3月期には6,000億円~1兆円程度にまで拡大させる計画。


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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