航空機リースなどが成長をけん引

2019年11月29日

オペレーティングリースが成長をけん引

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リース業界最大手オリックスの19年3月期純利益は3237億円となり、5期連続で過去最高益を更新し、10期連続の増益を達成した。
同社を含め近年リース各社の業績のけん引役となっているのがオートリースや航空機リースなどである。
伝統的なファイナンスリースから、収益性の高い自動車リースやその他の周辺分野に積極的に投資を行い、環境エネルギー投資、航空機リース、不動産等の伝統的なリース以外の事業(オペレーティングリース)を拡大している。

ファインスリースとオペレーティングリースの違いは大きく次の2点が挙げられる。
 (1)オペ―レーティングリースは残価を設定するため月々のリース料を安くおさえることができる。
一方、ファイナンスリースでは残価設定はない。
(2)ファイナンスリースでリース会社が提供するサービスは顧客に代わって資金を借り、物品を購入し、物品を貸すこと。
基本的に中途解約はできず解約時は違約金が発生する。
これに対しオペレーティングリースでは、ファイナンスリースより借り主の権利が低い反面拘束力が低く違約金なしで解約ができる。
リース会社からみると、オペレーティングリースは途中解約されるリスクが低い分、事業のリスクも低い。
一方、オペレーティングリースは途中解約のリスクが比較的高く、また物件がリース期間終了時に、どれくらいの価値を持っているのかを正確に判断することが重要であり、より高いノウハウが必要となっている。

オペレーティングリースとファイナンスリースの比較(出所:三菱UFJリース)

ファイナンスリースによって得られる効果は借り手からすると、銀行などで資金を借りて物品を購入する事とあまり違いがない。
このため競合はリース会社だけでなく、銀行なども含まれ、また極めて低い金利環境が続くなかで収益性は低下している。
このためリース各社は伝統的なリース以外の事業に注力しているのである。
オペレーティングリースの中でも、近年リース各社が特に注力しているのがオートリースや航空機リースである。
オートリース車両(出所:オリックス)

日本自動車リース協会連合会データによると、個人向けオートリース車両の保有台数は2018年3月末で約25万7000台となり、前年同期比20%超増加し、成長速度は加速している。
オートリースでは法人や個人などが「希望する自動車」を自動車リース会社が購入し、長期間(4年や5年など)にわたって、リース会社がユーザーに貸し出す。
ユーザーは毎月一定額のリース料を支払うことで、所有しているときと同じように自動車を使用することができる。
ユーザーはオートリースを使うことで、購入時の車両代金や各種税金・保険料・メンテナンス費用といった多額の資金の用意が不要となることだけでなく、使用期間中の納税業務・点検の管理・事故処理など煩雑な車両管理業務をリース会社に任せられる。

これらの利便性を背景に個人向けオートリース市場は拡大している。
またリース会社はレンタカー会社やカーシェアリング会社も営んでいるケースが多い。
レンタカーの需要は訪日外国人の増加で拡大しており、またカーシェアリングは都市部を中心に普及が進んでいる。

航空機リース(出所:オリックス)

また航空機リースは成長が期待できる有望な市場でリース各社は注力している。
グローバル化の進展などにより今後20年、世界の航空機の需要は倍増すると予想されている。
2019年には新造機の購入のために、1430億米ドルの資金調達ニーズがあると推定されているが、このうち45~50%はリース会社によるメーカー発注とセール&リースバックが見込まれている。
航空会社はリースを活用することで、巨額な初期投資が不要、機体処分の柔軟性、税務メリットの享受といったメリットが得られる。

オリックスは世界6大陸、34ヵ国で70社の航空会社と取引関係があり、19年3月時点で委託管理分を合わせて約233機を保有・管理している。
18年の航空機リース会社の機体数ランキングでは世界12位となった。
19年度には航空機リース事業で資産買収やM&Aを通して約2800億円の投資を計画しており、機体の保有・管理数については20年度には320機、23年度には400機に増やす方針。

株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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