自動車・自動車部品・輸送機械メーカーの動向と業界の注目企業「トヨタ」

2019年08月15日

自動車・自動車部品・輸送機械メーカーの最近の動向

自動車業界の2019年3月期業績は、減益を見込んでいる企業が増えている。
背景として、中国の18年新車販売台数が景気悪化により28年ぶりに減少に転じたことが大きい。

トヨタ自動車の19年3月期のグループ総販売台数見通しは前期比5万台増の1,055万台、地域別では日本223万台、北米275万台、欧州97万台、アジア168万台、その他地域で132万台となっている。
日本と欧州での増加を見込んでいる。

本田技研工業の18年4-12月期営業利益は前年同期比3%減の6,840億円となったが、実質為替影響、一過性の要因、原材料価格上昇を除くと、コストダウン効果や売上高構成比の変動などにより、874億円の実質増益となった。

主要市場別18年4-12月の9カ月累計販売動向は日本が前年同期比4%増の52.8万台、米国が同3%減の124.2万台、中国が同2%減の113.1万台。
インド・ベトナム・タイ・インドネシアでは二輪車販売が中心となっており、4ヵ国合計での二輪車販売台数は前年同期比7%増の1,136万台となった。

日産自動車は正念場を迎えている。
19年3月期営業利益は3期連続での減益を見込んでいる。
北米・中国市場で全体の販売台数の半分を販売するが、米国での販売が大きく落ち込み、中国でも販売台数の伸びが一服してきている。
米国での販売台数は17年3月期には159.3万台を誇っていたが、19年3月期は145.5万台まで減少する見通し。
前会長のカルロス・ゴーン氏の下、数値優先の経営が行われていたことにより、セダンや小型トラックの新型車投入が遅れ、競争力が低下している。
またEV(電気自動車)分野においても、数年前は業界をリードしていたイメージがあったものの、数値目標が優先され、十分な開発ができないことから、技術者の流出が相次いだ。

マツダは「CX-5」や「CX-8」等のクロスオーバー系車種の販売が引き続き好調に推移しているもの、中国での販売が景気減速で大幅に減少し19年3月期は減益の見通し。
同期販売台数計画は日本217千台(前期比3.2%増)、北米428千台(同1.7%減)、欧州270千台(同0.4%増)、中国250千台(同22.5%減)、その他405千台(同2.7%増)、合計1,569千台(同3.8%減)。

SUBARUは18年3月期までの6年間で売上高が2倍以上に膨らみ高い成長が続いてきた。
しかしながら足元では売上高の急激な増加に生産体制が追い付かず、トラブルが相次いでいる。
17年秋から新車製造の最終工程である「完成検査」の不正が発覚。
大規模リコールや工場の操業停止により、19年3月期は大幅な減収減益が見込まれている。

自動車・自動車部品・輸送機械メーカー 企業業績

業界の注目企業…トヨタ

トヨタは未来のモビリティ社会実現に向けた取り組みを加速させている。

電動化分野では19年1月にパナソニックと車載用角形電池事業に関する合弁会社設立に合意した。
新会社には両社から3,500人が移る。
トヨタは電池関連事業をすべて新会社に移管し、パナソニックはテスラに供給する筒型電池事業など一部を除き移管する。生産する電池はトヨタだけでなく子会社のダイハツ工業や、電気自動車の基幹技術で協力関係にあるマツダやSUBARUにも供給する方向でいるほか、ホンダなどにも採用を呼び掛けている。
大量製造することで価格競争力を高め、中国政府が後押しする中国の車載用電池ベンチャー寧徳時代新能源科技(CATL)などに対抗する。
トヨタでは2020年にEV(電気自動車を)の販売を開始する予定。
そして、30年には全世界で販売する自動車の半分をEVもしくはPHV(プラグインハイブリッド)とする方針。
新会社ではまずはEVに使用されるリチウムイオン電池の性能向上や量産化による価格競争力確保を狙うが、更にその先では次世代電池の全個体電池の実用化に取り組む方針。

PHVの特長 (出所:経済産業省HPをもとにフィスコ作成)

自動運転に関してはTRI(Toyota research Institute, Inc.)が、19年1月ラスベガスで開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、新型自動運転実験車「TRI-P4」を披露した。
「TRI-P4」はLexus LSをベースとした車両で、同社の2つの自動運転システムであるガーディアン(高度安全運転支援システム)とショーファー(自動運転システム)を搭載する。

同社で自動運転技術を担当するライアン・ユースティスは「私たちのショーファーの開発は完全な自動化、すなわち全ての、もしくは限られた運転環境においてドライバー不在での自動運転に重点を置いています。
一方でガーディアンは人間の能力を置き換えるのではなく、増大させるものです。この新しいP4実験車をこの春からテストに導入していくことで、ショーファー、ガーディアン双方の開発を更に加速させることになるでしょう。」と述べている。

同社では、自動運転技術の先進性を20年の東京五輪にて世界に披露する予定。

TRI-P4 (出所:トヨタ自動車)


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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