低金利が収益を圧迫、厳しい経営環境続く銀行業界

2019年09月27日

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異次元金融緩和の下、稼げない状況続く銀行

大手銀行5行(三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、りそなホールディングス、三井住友トラストホールディングス)と、上場している地方銀行78行の2019年3月期当期純利益合計は前期比19.5%減の約2兆9000億円となった。

大手銀行5行の当期純利益は前期比24%減少

大手銀行5行のみでみると、当期純利益は前期比24%減の2兆449億円だった。特にみずほFGの純利益は83.3%減の965億円にまで減少した。
店舗や次期勘定系システムの減損処理などで約6900億円の損失を計上したことが響いた。
貸し出し業務など金融機関の本来の収益力をあらわし、事業会社の営業利益にあたる(本業のもうけを示す)業務純益(粗利益-経費)も5行合計で前期比13.2%減の1兆7916億円となった。
資金利益(銀行業における収益の一つで、貸付等による資金の提供に伴う収益から預金等による資金の調達費用を差し引いたもの)は国内で貸出利回りが低下し、海外では資金調達コストの上昇から、1.4%減少した。

役務取引等利益(銀行業における収益の一つで、金融サービスの提供による手数料収益から、サービス提供に係る直接的な費用を差し引いたもの)は金融商品の販売が低迷し0.4%減少。
特定取引・その他業務利益を合計した市場部門は、期中に米国債の利回りが上昇し債券価格は下落したことなどから、2ケタの減少となった。

下記は三井住友銀行の19年3月期決算の主要指標。業務粗利益のうち、資金利益と役務取引等利益が大きなウェイトを占めることがわかるが、国内資金利益は貸し出し利回りの低下を背景に大きく減少していることがあげられる。
また役務取引等利益についても国内は減少しているが、19年3月期においては株式市場が低迷し投資信託の販売が伸びなかったことが影響した。
一方、資金利益また役務取引等利益いずれも海外は伸びてきている。
拡大する日系企業の海外での事業を金融面でサポートし、また海外現地の金融機関を買収するなどして、大手銀行グループは海外では収益を伸ばしている。

業績

地方銀行は78行中、54行が減益

上場する地方銀行78社の19年3月期当期純利益は前期比6.4%減の8,648億円となったが、関西みらいフィナンシャルグループなどで経営統合に伴う負ののれん発生益が発生しており、これを除くと実質的には22%減益であった。
不正融資問題が発覚したスルガ銀行が当期純損失971億円を計上し全体の利益を押し下げている側面もあるが、上場地銀78社のうち54社が減益となった。

ほくほくFG連結上記は北陸銀行と北海道銀行を傘下に有し、地銀で全国5位の資産規模を有するほくほくフィナンシャルグループの19年3月期決算の主要指標。大手銀行と比較すると、海外部門の収益貢献が小さく、業務粗利益に対する資金利益の割合が大きいことが読み取れる。


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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