システムインテグレーターの動向と業界の注目企業「富士通」

2019年09月06日

システムインテグレーターの最近の動向

システムインテグレーターを取り巻く環境は良好である。
国内IT投資は2013年以降、2%前後の拡大が続いている。
背景には常態化する人手不足が挙げられ、これを補うAIや機械学習といった分野を軸に企業のIT投資は伸びている。

システム開発専業最大手のエヌ・ティ・ティ・データ(NTTデータ)は、流通業向けに電子商取引のシステム開発などが伸び19年3月期は2桁増益の見通し。

野村総合研究所は、企業がクラウド、AI、IOT(モノのインターネット化)などの新しい技術を活用することで、ビジネスモデルや製品を刷新。
競争優位を確立しようとするニーズに答えるシステム開発などにより、19年3月期は増収増益を見込んでいる。

SCSKの19年3月期は2桁増益の見通し。
企業の人手不足に対応するための自動化・省力化投資が旺盛で、業績拡大の追い風になっている。

伊藤忠テクノソリューションズは、営業面では製造や通信、インターネットサービスプロバイダ向けインフラ構築案件などに注力し、19年3月期は3期連続となる増収増益が見込まれる。
中期経営計画では、クラウド・ITアウトソーシングビジネス、グローバル関連ビジネスを軸に成長を図り、21年3月期は純利益300億円(18年3月期は235億円)を目指す。

システムインテグレーターの企業業績

業界の注目企業…富士通

富士通の業績推移(出所:決算短信をもとにフィスコ作成)

富士通は世界180カ国以上で事業を展開し、大規模かつ先進的なシステムを構築してきた高い技術力と豊富な実績によって、ITサービスでは国内No.1、グローバルNo.5のシェアを占めている。
国内ITシステムのシェアでは、製造業向け、流通向け(小売り・卸・運輸)、通信・メディア・サービス、公共(電力・ガス・医療・教育)、官公庁向けでトップシェアを有す。

同社では現在、ビジネスモデルの変革に取り組んでいる。
構造改革を徹底すると同時に、「インテグレーション」を核とした「富士通らしい成長モデル」の確立に取り組む。
デジタルテクノロジーをベースにICT(情報通信技術)のサービス化に投資を集中し、テクノロジーソリューション事業のグローバルな成長を目指している。
同事業では23年3月期に売上高3兆1,500億円、営業利益率10%を目指す。

テクノロジーソリューション事業は、「サービス」と「システムプラットフォーム」に分かれる。 「サービス」は、ITシステムの構築やアプリケーションの開発といったシステムインテグレーション、コンサルティングなどを行う「ソリューション/Si」と、ICTやアプリケーションの運用・管理を行うアウトソーシング、システムサポートサービスなどを行う「インフラサービス」で構成される。
一方、「システムプラットフォーム」は、システムを構築するサーバ、ストレージシステム、OSといった各種ソフトウェアなどの「システムプロダクト」と、ネットワーク管理システム、光伝送システム、携帯電話基地局を軸とする「システムプラットフォーム」に分かれている。

19年3月期は減収減益予想だが、この予想にはPC・携帯端末事業の再編による減収の影響や、ビジネスモデル変革のための費用が含まれている。
これらを除いた本業ベースでは、サービス・システムプロダクトともに国内を中心に拡大が続いており、増収増益の見通しとなっている。


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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