低価格・最新機能の自動搭載などでSaaSの普及進む

2019年11月11日

目次

急速に拡大するSaaS市場

ハードウェア・ソフトウェアベンダー トップ画像(出所:Sansan)

SaaS市場が急速に拡大している。
SaaS(サース)とはSoftware as a Serviceの略であり、日本語にするとサービスとしてのソフトウェアとなる。
つまりSaaSはこれまでにパッケージとして提供されてきたソフトウェアがクラウドで提供されるものである。

 SaaSには
(1)インターネットが使える環境であればどこでも使える。
(2)データをオンラインストレージに保存できる。
(3)ユーザーにとって初期設定の負担が小さく、安価にサービスを利用することができる。
といった特徴がある。

Sansanは名刺管理サービスを SaaSで提供

例えば、テレビCMをよく見かける2019年6月に上場したSansanは名刺管理サービスのSaaSを提供する。
ユーザー企業は名刺をスキャンするだけで、名刺情報はSansanにより正確にデータ化され、クラウド型アプリケーションを通じて「AI名刺管理」を利用することができる。
本機能では、各社員単位での名刺管理だけではなく、組織内での名刺情報の共有も可能となっている。
また、最新の人物情報が通知される人事異動ニュースの配信や一括メール配信機能等の幅広い顧客管理機能を備えている。
これにより企業は名刺交換情報が社内で共有されていない、社内コミュニケーションが円滑にできていない、名刺情報が持つ価値に気付けていないといった課題を解決することができる。

名刺を企業の資産に変えるサービスを提供し、Sansanの業績は大きく伸びている。
名刺管理サービスの契約件数は14年5月期末1,485件から18年5月末には5,147件に伸び、同期間に売上高は12億円から73億円に増加している。

Sansanの業績動向(出所:決算短信をもとにフィスコ作成)

ユーザー企業は数名規模の会社から三井住友銀行、伊藤忠商事、徳島県など大企業・官公庁にまで広がっている。

カオナビはクラウド人材マネジメントシステム「カオナビ」を提供

カオナビ トップ(出所:カオナビ)

19年3月に上場したカオナビは、クラウド人材マネジメントシステム「カオナビ」をSaaSで提供する。
「カオナビ」は、クラウド上で人材情報を一元管理することができるため、業務の効率化が可能となる。
また優秀人材の見える化で適材適所の人材配置が可能となり生産性の向上につなげることができる。
導入効果事例として、高級ホテルの予約サイトを営む一休では、社員情報の検索にかかる時間が、導入前には紙やデータを1つずつ探していたため60分程要していたが、導入後は5分で済むようになった。
また社内公募やアンケートにかかる時間は、導入前は送信から回収までに2時間要していたものが、導入後は30分で済むようになった。

同システムの導入企業数は高いペースで増加しており、17年3月末445社、18年3月末854社、19年3月末1,293社と推移している。
これに伴い売上高も急速に伸びており、16年3月期から19年3月期の売上高平均成長率は90%を超える。
導入実績が最も多いのは社員数が100人~1,000人規模の企業であり、国内にこのサイズの企業は5万社程度存在すると推測される。
同社では中期的にこの10%となる5,000社への導入を目指し、業績の中期目標としては24年3月期売上高100億円、営業利益率30%を掲げる。

チームスピリットは中堅企業向けに 業務管理のSaaSを提供

チームスピリット 働き方の見える化(出所:チームスピリット)

チームスピリットのSaaS「Team Spirit」は勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSといった、従業員が日々利用するシステムを包括的に提供する。
勤怠管理、就業管理の領域においては単なる出退社時刻の記録だけでなく、有給休暇の取得状況・残業時間の推移・36協定の抵触・インターバル時間・必要な休日確保の状況など、近年特にニーズの高い長時間労働の抑制や健康確保措置としての労働時間管理を実現している。
また「工数管理・SNS」の領域では、リアルタイムで従業員の働き方を可視化し、パフォーマンスの高い従業員の時間や経費の使い方などの行動を分析することで、部署又会社全体での生産性向上に寄与し、真の「働き方改革」の実現をサポートしている。

「Team Spirit」は業務管理目的のクラウドとして機能性が高く、またリーズナブルな価格で利用できるため、契約企業数・契約ライセンス数はハイピッチで増加が続いている。
顧客企業から、ユーザー従業員数(契約ライセンス数)に応じて毎月利用料を受け取るサブスクリプション方式を採用している。
初期登録料が15万円で、ユーザー従業員数が50人の場合は3万円(一人600円/月)から利用できる。

オンプレミスな運用はインフラごと自社の資産として自社内で管理・運用するため、初期投資がかさみやすく、保守・管理にも高度な知識を備えた人材が必要にとなるため中堅またベンチャー企業にとっては負担が重い。
このため「Team Spirit」は中堅またベンチャー企業でより好まれ、東証マザーズ市場上場企業では実に15%の企業がこのサービスを利用している。
契約ライセンス数は、15年8月末46,335人、16年8月末71,593人、17年8月末98,900人、18年8月末139,171人、19年2月末175,486人と増加が続いている。

株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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