成長続くネット広告市場 。スマホを中心としたモバイル広告市場は800億円から8,000億円に拡大

2019年02月11日

インターネット広告市場は拡大が続いている。
電通の調べによると、国内ネット広告費は4年連続で2ケタ成長を遂げ、2017年には前年比15.2%増の1兆5,094億円となった。
総広告費に占める構成比も23.6%と前年から2.8 pt上昇し、全体の4分の1に迫っている。
市場拡大をけん引しているのはスマートフォンを中心としたモバイル広告市場。
その市場規模は12年には800億円に過ぎなかったが、17年には8,317億円に拡大している。

また、この拡大が続いているネット広告市場のなかでも、近年特に成長が著しいのは「YouTube」などの動画広告市場であり、市場規模は14年の317億円から18年には1,845億円に拡大し、さらに23年にかけて3,500億円近くまで拡大するものと予測されている。

(表)主要ネット広告の業績推移

モバイル広告市場規模の推移

主要ネット広告代理店の動向

主要なネット広告代理店としては、サイバーエージェント、D.A.コンソーシアムホールディングス、オプトホールディング、セプテーニ・ホールディングス、ファンコミュニケーションズ、バリューコマースなどがあげられる。
直近2期の各社業績概要は以下の表のとおりである。

動画広告市場規模の推移

上記6社のうち、サイバーエージェント、D.A.コンソーシアムHD、オプトHD、セプテーニHDは総合型のネット広告代理店、ファンコミュニケーションズ及びバリューコマースは成功報酬型広告(※成功報酬型広告とは、ネット上でマーケティング活動を行う企業を広告主として、広告主の求める成果が上がったことに対して報酬を受け取る広告モデル。広告掲載に対してではなく、商品購入や資料請求、広告主サイトへのユーザー送客など、成果の発生に対して広告費用が発生するため、広告主にとってはマーケティングコストの最適化が行える)に軸足を置いた広告代理店である。

総合型のサイバーエージェント、D.A.コンソーシアムHD、オプトHDは17年度にいずれも2ケタの増収と過去最高売上高を実現した。
Yahoo!JAPANやYouTubeの動画広告やLINE、Facebook、Twitterなどソーシャル広告の取扱い拡大が業績拡大をけん引した。

サイバーエージェント:AbemaTVに注力

サイバーエージェントの17年9月期業績は、売上高が前期比20%増の3,713億円となったが、一方で営業利益は17%減の307億円となった。
メディア事業、広告事業、ゲーム事業ともに2ケタの増収を実現し、既存事業ベースでは営業利益も516億円と過去最高を記録した。しかし、16年4月にPC・スマホ向けのネットテレビ、「AbemaTV」の配信をスタートさせ、今のところは費用が先行しており(17年9月期AbemaTV営業損益は209億円の赤字)全体では減益となった。

AbemaTVの1か月当たりの利用者数は増加傾向が続いており、18年6月には1,091万人に、同月総視聴時間は4,686万時間になった。
同社では引き続きAbemaTVのオリジナル番組の強化を継続し、同サービスをマスメディアとしたい考え。
中長期では広告事業とゲーム事業で利益を積み上げ、AbemaTVを軸とするメディア事業に十分な投資をし、中長期の柱に育てる方針だ。


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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