医療現場から トップブランドとして 信頼されるメーカーを目指す

2019年11月07日

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カルーテルや人工肺装置で世界に挑む

テルモは、国内外で医薬品や医療用機器の製造販売を手がける。
医薬品以外の製品には、主に栄養食品、輸血器具、使い捨て医療器具、人工臓器、電子体温計などがある。
グローバルに事業を展開し、海外売上高比率は68%(2019年3月期)を超える。
日本企業でグローバル化が最も進んでいる企業の一つで、世界160カ国で製品を販売し、グループ従業員25,000名のうち80%超が外国人となっている。
カルーテルや人工肺装置では世界有数のシェアを有す。
10年3月期から19年3月期にかけて売上収益は3,160億円から5,994億円に、営業利益は632億円から1,066億円に増加し高い成長が続いている。
同社の事業は大きく心臓血管カンパニー、ホスピタルカンパニー、血液システムカンパニー(テルモBCT)の3つに分類される。

心臓血管カンパニー

直近の業績動向としては、心臓血管カンパニーは、国内の公定価格改定の影響に加え一部の製品で愛鷹工場からの出荷遅延があったものの、※ニューロバスキュラー事業が好調に推移した結果、19年3月期の心臓血管カンパニーの売上収益は前期比1.4%増の3,285億円となった。
※ニューロバスキュラー事業…脳動脈瘤、脳梗塞、脳動静脈奇形など、様々な脳血管の病気に対するカテーテル治療製品をグローバルに展開しており、その開発と生産を米国子会社マイクロベンション社が担っている。
心臓血管カンパニー

ホスピタルカンパニー

ホスピタルカンパニーでは、ホスピタルシステム事業の輸液剤、スプレー式癒着防止材「アドスプレー」、クローズド(閉鎖式)輸液システムなどの輸液ライン、解熱鎮痛剤「アセリオ」などが好調に推移したほか、アライアンス事業の製薬企業との提携ビジネスが国内外で拡大し、同カンパニーの19年3月期売上収益は前期比4.4%増の1,658億円となった。
ホスピタルカンパニー

血液システムカンパニー

血液システムカンパニーでは、アフェレシス治療製品(透析療法を除く体外循環治療はアフェレシスと呼ばれ、潰瘍性大腸炎、リウマチ、薬物中毒、敗血症、劇症肝炎などに対して行われることが多い治療)は18年3月期に米国で特需があったため、減収となったが、血液センター向け製品の販売が欧州で好調に推移した結果、同カンパニーの売上収益は前期比0.3%増の1,050億円となった。
血液システムカンパニー

グローバルでは、カテーテル、 脳血管、ドラッグ&デバイス、 血液治療などに注力

22年3月期までの中期経営計画では、次の3つを成長戦略として掲げている。

①グローバルでは選択と集中により、カテーテル、脳血管、ドラッグ&デバイス、血液治療などの競争力のある分野に注力する。
② 日本においては、トップ企業のポジションを活かし、成長機会を追求する。
③ 社会的インパクトの大きい未来医療の開発を進めイノベーションを推進する。

世界の医療機器業界においては、ジョンソン・エンド・ジョンソン(米)やゼネラル・エレクトリック(米)、メドトロニック(米)、シーメンス(独)など欧米の企業が先行し、市場の80%は彼等が占有している。
テルモは日本国内トップも、世界では20位程度である。国際競争力の強化が不可欠であり、テルモは17年に米国セント・ジュード・メディカル社とアボットラボラトリーズ社のカテーテル関連事業の一部を買収し、また大動脈瘤治療に用いるステントグラフトの製造販売会社である米国ボルトンメディカル,Inc.を買収し、カルーテルまた血管治療を強化した。
世界市場においては、得意分野にさらに磨きをかけ、競争力を強化することで成長を目指す。

持続的な成長を実現するにはR&D(研究開発)も重要であり、同社は特に脳梗塞、心不全、再生医療の分野で新製品の開発を進める方針。
研究開発費は積極的に増やし、開発者は17年3月期の1,200名体制から4割増やすことを計画している。

株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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