医療機器メーカーの動向と業界の注目企業「朝日インテック」

2019年09月12日

医療機器メーカーの最近の動向

テルモの事業は、カテーテルシステム、人工心肺システムの製品を製造する「心臓血管カンパニー」、ホスピタル医療器、医薬品類、腹膜透析関連、糖尿病関連の製品を製造する「ホスピタルカンパニー」、輸血関連の製品を製造する「血液システムカンパニー」から構成される。
2018年4-12月期は全カンパニーで売上高が増収となった。心臓血管は出荷遅延から回復、ホスピタルは堅調に推移している。
海外売上高比率は約70%と高く、世界的に拡大する医療機器の需要を取り込み、堅調な成長が期待される。

オリンパスは、18年3月期売上高7,864億円のうち、内視鏡基幹システムなど医療事業が6,163億円を占め主力である。
19年3月期においても医療事業は堅調に推移しているが、ミラーレスカメラなどを製造販売する映像事業は、競争環境の激化などにより売上高が大幅に減少し、損益も悪化している。
これらのことにより、グループ19年3月期営業利益は大幅減が見込まれる。

シスメックスは、血液成分測定装置で世界最大のシェアを有す。
世界190カ国以上で事業を展開し、海外売上高比率が80%を超えるグローバル企業である。
09年3月期から18年3月期までに売上高は1,118億円から2,819億円に、営業利益は151億円から590億円に伸び高い成長が続いている。
中期経営計画では、ヘマトロジー(血液中の赤血球や白血球などの数や種類、大きさを分析することにより、精密な検査が必要かどうかを判断するための検体検査)・尿検査分野・血液 凝固検査における製品ラインアップの拡充やグローバルでの販売・サービスの拡充、アジアにおける免疫ビジネスの拡大などで、20年3月期売上高3,500億円、営業利益720億円を目指す。

ニプロは、透析関連、人工臓器関連を中心とした医療機器事業、注射剤や経口剤、外用剤など多彩な医薬品を製造販売する医薬事業を軸に、業績の拡大が進んでいる。

日本光電は、医用電子機器および関連したシステムの製造販売を手掛ける。
具体的には、脳波計や心電計、臨床用ポリグラフ等の生体計測機器や、生体情報モニタ、除細動器、血球計数器等を扱う。
着実な業績拡大が続いており、中期経営計画では20年3月期売上高1,900億円、営業利益200億円を目標とする。
①脳波計、心電計などの検査機器を含む生体計測機器、②生体情報モニタリング、③除細動器、AED、心臓ペースメーカ、人工呼吸器などの治療機器、④血球計数器や試薬、仕入商品などのその他製品群の成長を図る。

医療機器メーカー 企業業績

業界の注目企業…朝日インテック

アサヒインテックの業績推移(出所:決算短信をもとにフィスコ作成)

朝日インテックは、ガイドワイヤーを中心としたカテーテル治療用の医療機器によって世界中の医療関係者から注目を集めている。

カテーテル治療とは、狭心症や心筋梗塞など、心臓の血管(冠動脈)がコレステロールなどによって詰まったり、狭くなったりすることで起きる疾患に対する治療法のひとつ。
従来は、投薬による薬物治療か、症状が重い場合は開胸して大がかりな外科手術が一般的であった。
これに対し、近年著しい進歩を遂げているのがカテーテル治療。
手首や足の付け根からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、狭くなった血管を広げる治療法である。
開胸することなく治療が行えることで、患者にとってより身体への負担が小さく、入院日数が短縮されて早期の社会復帰が可能となり、冠動脈疾患治療の主流となっている。

この治療に使われる製品が、ガイドワイヤー、ガイディングカテーテル、バルーンカテーテルの3製品。朝日インテックは、カテーテル治療に不可欠なこれらの製品の開発・製造・販売を行っている。

カテーテル治療に不可欠な3つの製品カテーテル治療に不可欠な3つの製品(出所:朝日インテック)

カテーテル治療は患者負担が小さいことなどから近年拡大が続いている。
同社業績も09年6月期から18年6月期にかけて、売上高は127億円から501億円に、営業利益は17億円から137億円に増加し、極めて高い成長を実現している。

ガイドワイヤー市場では、日本で約75%、欧州・アジアで約50%の高いシェアと競争力を有す。

ガイドワイヤーのグローバルシェア(出所:朝日インテック)

中期経営計画では23年6月期売上高800億円、営業利益200億円を目標に掲げる。


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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