拡大する訪日需要の取り込み図るホテル各社

2019年11月28日

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訪日外国人数増加を背景に拡大するホテル・旅行市場

訪日外個人数の増加を背景に、ホテル・旅行市場は拡大が続いている。
まずは訪日外国人数に焦点を当て、市場環境を復習しておきたい。
2018年の訪日外国人数は前年比8.7%増の3,119万人となった。東日本大震災があった11年は621万人だったので、訪日外国人は7年で5倍に膨らんだことになる。
訪日外国人が増加している要因としては次の4つが考えられる。
①日本に対する関心が高まっていること、②訪日外国人の大半を占めるアジア諸国の経済成長、③LCCの普及、④官民連携によるインバウンド呼び込みの施策、である。


観光立国には、自然・気候・食・文化、の4条件が揃っていることが必要である。
日本にはこの4条件が揃っており、日本への関心が高まっていることの背景には、四季があること、世界的にもブームとなっている和食があること、悠久の歴史のなかでつくられてきた独自の文化があること、観光資源が極めて豊富であることが挙げられる。

また、一般的に人々は所得が向上し、経済的余裕が生まれると旅行への意欲が急速に膨らむ傾向にあり、訪日外国人の大半を占めるアジア諸国の経済成長が続いている点も大きい。
さらに2010年代以降、LCC(格安航空会社)が普及し、それまでと比較し海外旅行によりリーズナブルに出かけられるようになった。
このほか、日本では官民連携で日本を訪れる外国人旅行者を増やす「ビジット・ジャパン」キャンペーンを実施しており、また政府は12年以降、戦略的なビザ要件の免除と緩和を実施している。

訪日外国人数の推移

政府では、安倍首相が掲げる名目国内総生産(GDP)600兆円の達成に向け、観光施策をその起爆剤にしたいと考えており、訪日外国人数について20年4,000万人、30年6,000万人を目標として、文化財の修繕や多言語解説の導入支援、大型国際会議の誘致や観光の人材育成などを進めている。
訪日外国人6,000万人は容易な目標ではないが、フランスやスペインを訪れる外国人は年間に8,000万人を超えており、不可能な人数ではないと思われる。

世界各国・地域への外国人訪問者数


ホテル各社は積極的な増設で業容の拡大を図る

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この環境を受けて、ホテル各社は積極的に増設を進め、業容の拡大を図っている。
国内ホテル3位の共立メンテナンスは、事業内容は寮事業とホテル事業に大きく分類されるが、ホテル事業がけん引し11年3月期以降、増収増益が続いている。
日本国内の訪日外国人宿泊者数は15年3月期4,947万人から18年3月期に8,039万人に増加したが、同社はこの伸び率以上に外国人宿泊者の獲得に成功し、同社外国人宿泊者数は43万人から138万人に増加し、インバウンド比率は10.6%から27.1%まで高まっている。

ホテル事業者売上高ランキング

業績は順調に拡大しており、08年3月期から18年3月期に売上高は756億円から1,520億円に、営業利益は44億円から130億円に増加している。
今後についても、ビジネスホテルのドーミーインを17年3月期末国内61棟・海外2棟・部屋数約10,000室から、22年3月期末には、国内109棟・海外3棟・部屋数約19,000室に、またラビスタなどの共立リゾートを26棟・約2,300室から45棟・約3,700室に増設し、22年3月期には売上高2,200億円、営業利益190億円を目指すとしている。

持続的な成長に向けた開発計画


共立メンテナンス売上高推移
共立メンテナンス営業利益推移


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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