流通・小売・サービスの動向と業界の注目企業「ユニー・ファミリマートホールディングス」

2019年07月10日

流通・小売・サービスの最近の動向

イオンの2018年3-11月期営業利益は前年同期比6%増の1,090億円となり、過去最高を更新。金融事業とディベロッパー事業が順調に拡大し、総合スーパー事業も赤字が縮小した。

セブン&アイ・ホールディングスでは海外コンビニ事業が業績をけん引している。
北米を軸に展開する同事業の20年2月期営業利益は1,000億円強と過去最高を更新する見通しに。
これは中期経営計画にてグループ全体で同期に目標としている営業利益4,500億円の20%強を占める。
日本で培ったノウハウを活用した食品の販売が伸び業績拡大をけん引している。

ローソンの19年2月期業績は増収減益となる見通し。
国内コンビニエンスストア事業は、特に夕方から夜にかけての品揃えの拡充を強化するため18年6月から、発注の締め切り時間やトラックで納品される時間を変更するサプライチェーン全体の仕組みを再構築している。
また、10月にはオリジナルブランド「おにぎり屋」のおにぎりご飯と海苔を刷新。新製品「悪魔のおにぎり」が大ヒットし、売上をけん引している。

三越伊勢丹ホールディングスは主力の百貨店事業において、抜本的なビジネスモデルの再構築を進めている。
基幹店においては収益力の向上のための活性化施策として、店舗リモデルを実行している。
三越日本橋本店はおもてなしのスペシャリティストアを目指し、10月24日に第1期リモデルオープンした。
顧客の要望や相談に対して、よりパーソナルな提案を行うコンシェルジュを配置した“パーソナルショッピングデスク”や目的に合わせてインフォメーションガイドが様々なサービスを紹介する“レセプション”等を新設し、全館横断型の「つなぐ・つながる接客」体制を導入したその一方で、限られた経営資源を新たな成長分野に再配分するため、収益性に課題のあった伊勢丹相模原店、伊勢丹府中店、新潟三越、岩田屋久留米店新館の営業終了を決定した。

ニトリホールディングスは19年2月期も増収増益を見込んでおり、32期連続で増収増益となる見通し。
季節商品を中心とした寝具・寝装品や、9月上旬より約2カ月半「オーダーカーテンキャンペーン」を実施したことで、ウィンドウカバリングの売上が好調に推移し、また、9月中旬より約1カ月間実施した「ニトリFun!ウィーク」もソファ、ベッドルーム家具の売上を押し上げる要因となった。

良品計画は19年2月期において増収増益を確保する見通しも、国内の販売不振などで成長が鈍化している。
19年2月期国内営業収益は当初は前期比7%増を見込んでいたが、1%増の2,368億円となる見通し。
衣料品や食品は好調なものの、生活雑貨やソファなど大型家具が振るわない。
一方海外は営業収益が19%増の1,725億円となる見通し。
積極的な新規出店効果で2ケタ増収増益を見込んでいるが、中国で人気の化粧水でライセンス更新の遅れによる品切れが影響し、既存店売上高は7-9月に4%減となった。

ヤマダ電機はインターネット販売の強化・推進と店舗の融合を図っている。
直営ネットショップ「ヤマダウェブコム」に加え、17年8月に「Yahoo!ショッピング」へ、18年8月に「楽天市場」へ、18年10月にauのショッピングサイト「Wowma!」に出店した。
また、家電に加え、「家電住まいる館」の展開にあわせ、家具・インテリア関連のSPA(製造小売)商品の開発を推進している。

ビックカメラの18年8月期売上高、営業利益の成長率は加速した。
17年8月期に開店したビックカメラ名古屋JRゲートタワー店や、ビックカメラAKIBAなど新店が増収に寄与。
またネット通販は高い伸びが続いており、自社サイトに加え18年4月には楽天と共同出資する楽天ビックがスタートし、新たな成長の軸に加わった。

ウエルシアホールディングス、ツルハホールディングス、コスモス薬品などのドラッグストア大手は引き続き積極的な出店により店舗数の増加が続いており、比較的高い成長が続いている。

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは、ドンキホーテホールディングスが19年2月1日から商号変更した。
18年6-12月期売上高は前年同期比10.9%伸び好調が継続。
「権限委譲」の徹底による個店力・現場力強化で商圏内支持を高めている。
インバウンド消費に関しては18年6-12月期の免税売上高が前年同期比27%増加し318億円と、売上高構成比は9.1%にまで高まっている。
ドン・キホーテは非日常的なアミューズメント空間で「モノ+コト消費」を体感できる訪日外国人旅行客の消費の聖地となっている。19年1月4日にはユニーを完全子会社化し、19年6月期業績は大幅増収増益に。

流通・小売サービス 企業業績

業界の注目企業…ユニー・ファミリマートホールディングス

ユニー・ファミリマートHDは、16年9月にファミリーマートがユニーグループ・ホールディングスを吸収合併する形で誕生した。ユニーが運営していたサークルK・サンクス店舗のファミリーマート店へのブランド転換、商品の変更および製造・物流拠点の再整備により効率化を進めている。ブランド転換した店舗では転換前と比較し売上・客数が10%以上伸びるなど成果が出ている。また統合後のファミリーマートは国内店舗数が17,000を超えており、国内シェアは第2位となっている。

主要コンビニチェーンの国内店舗数(18年2月末時点)(出所:ユニー・ファミリーマートHD資料よりフィスコ作成)

主要コンビニチェーンの国内店舗数シェア(18年2月末時点)(出所:ユニー・ファミリーマートHD資料よりフィスコ作成)

当期利益については、18年2月期実績336億円に対し、20年2月期は500億円を目指している。
これに向けて様々な施策を進めており、商品力の強化については、中食の基本価値向上やマーケット変化に合わせた品揃えを実現するため、挽き立てコーヒーや総菜等の刷新を進めている。
 挽き立てコーヒーの「FAMIMACAFÉ」では、18年10月より新型コーヒーマシンの導入を開始し、メニューの多様化やコーヒーやミルクの味わいを更に引き立てた。
また17年9月に販売開始した惣菜シリーズの「お母さん食堂」では、発売1周年を機に、食卓に特に並ぶ機会の多い魚惣菜の品揃えを拡充している。
「店舗オペレーションの強化」については、加盟店支援策として、人手不足に対応した店舗スタッフの業務効率化を始めとする抜本的な改革を推進。
これまで進めてきた納品時の数量確認省略(検品レス)やセルフレジの導入店舗数拡大に加え、レジ周りの作業時間短縮を目的とした「現金カウンター」の導入を新たに開始している。


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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