市場規模の大きな拡大が望めないなかで、リフォーム市場などに活路

2019年02月18日

市場規模の大きな拡大が望めないなかで、リフォーム市場などに活路

建材・住設機器商社の18年3月期業績には強弱感

建材・住設機器・エクステリア商社の業績推移

建材・住設機器・エクステリア商社の2018年3月期業績は強弱入り混じるものとなった。
上場企業トップのJKホールディングスは増収増益、住宅着工戸数が伸び悩む中、輸入合板の市場回復を受けて粗利の確保が図れたほか、その他の建材、住宅機器などの住設建材群についても着実に売上拡大が図れた。
木材加工事業や小売事業に関しては、競争激化によるマージンの悪化で苦戦した。
すてきナイスグループは減収で大幅減益となった。
建材・住宅設備機器は伸びたものの、木材事業が落ち込んだほか、マンション販売の減少で住宅事業も落ち込んだ。
人件費を中心に販売管理費の増加も負担となった。なお、2019年3月期は引き続き住宅事業が伸び悩む見込みだが、建築資材事業の好調で大幅増益を見込んでいる。

インテリア商社となるサンゲツも減益幅が大きくなった。
海外事業が本格スタートしたことで売上高は伸びたが、先行投資負担が先行する形になったもよう。
壁装材はシェア拡大で売上高が増加したものの、販売価格の下落で利益は伸び悩み。
床材は業界全体が大きく伸ばしたホテル向けの売上増が牽引した。
19年3月期は値上げの実施や海外の一時的費用減少で2ケタ増益を予想。
10月から、約4年ぶりに壁紙の全商品の卸売価格を15~20%引き上げる計画である。
橋本総業ホールディングスは2ケタ増益を達成。パイプや継手など管材類の好調が業績をけん引したが、衛生陶器や住宅設備機器も順調に伸びた。ジューテックホールディングス、OCHIホールディングス、高島は住宅着工が伸び悩む中で横ばいの業績となっている。

建材・住宅機器商社は再編の余地が大きい

住宅着工と建築材料販売額推移

(注)住宅着工は年度ベース
(出所)、国土交通省、経済産業省

上図は、国土交通省が発表している新設住宅着工戸数と経済産業省が発表している商業動態統計における建築材料販売額の推移を示している。
連動性はみられるものの、住宅着工戸数の落込み以上に建築材料販売額の減少傾向がみられる。
特に、リーマンショック以降は住宅着工の回復場面でも建築材料の販売額は横ばいにとどまっている。
パナソニック電工がパナソニックに吸収合併されたり、5社の統合でLIXILが誕生したりなど、住宅建材・設備機器メーカーの巨大化によるマイナスの影響を強いられているものとみられる。

建材商社は他の専門商社と比較して、スケールで圧倒する企業がみられない。
エンドユーザーは地元の工務店が多いため、地域に密着した取引年数の長い企業に優位性があり、再編の必要性がそれほど強まっていないものと考えられる。
ただ、大手住宅設備機器メーカーによる直販の拡大、家電量販店による住設分野への進出など、住宅設備機器の競争は激化の方向にあり、今後は一気に再編が進む可能性もあろう。

建材と比べると、住宅設備機器はリフォームの主要対象となることで、新設住宅着工の今後の伸びが大きく期待できないなかでも、需要は堅調な推移が続くとみられる。
建材卸商社も住宅設備機器分野に取扱商品を広げていく流れが強まるだろう。
また、リフォームの依頼先としては、依然として地元の工務店が多いとみられ、ユーザーの多種多様なニーズに応えるための提案やノウハウ提供などを建材・住設機器商社が担う余地は大きいと考えられる。
短期的には、2019年10月からの消費増税によって、住宅需要の変動が大きくなってこよう。
適切な在庫管理能力などが関連商社にとっても必要とされてくる。


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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