世界有数のアパレルに躍進するユニクロ

2019年11月15日

海外ユニクロ事業の躍進続く

アパレル消費財化粧品メーカー トップ画像

ユニクロを展開するファーストリテイリングの業績拡大が続いている。2018年8月期の売上高は前期比14%増の2兆1,300億円となり、営業利益は同33%増の2,362億円となった。

国内ユニクロ事業も成長が続いているが、海外ユニクロ事業の成長は著しく、グループ全体の高い成長をけん引している。
海外ユニクロ事業の18年8月期の売上高は初めて国内売上高を超えた。
グレーターチャイナ、東南アジア地域での事業拡大が、グループ全体の業績をけん引している。
欧州ユニクロも収益性が高まっている。新しく進出したスペイン、スウェーデン、オランダの業績も順調に推移している。米国ユニクロの赤字幅は、前年に比べて半減し、19年8月期には黒字に転換する見込みである。
世界の各地域でユニクロが成功を収めている要因としては、LifeWear のコンセプトが消費者に浸透していることがあげられる。
LifeWearとは、「本当に着心地が良く、高品質でファッション性があり、誰にでも手が届く価格の究極の普段着」。
流行を追うファッションアパレルとは異なり、人々の生活に密着したブランド。
ユニクロの服は、日本のものづくりの価値観を継承し、細部までこだわって服をつくり続けている。

世界の主なアパレル製造小売りにおけるファーストリテの位置

企画・計画・生産・物流・販売までを自社で手掛ける

ユニクロが高品質の商品をリーズナブルな価格で消費者に届けていられる背景には企画・計画・生産・物流・販売までのプロセスを一貫して自社で行うビジネスモデルにある。
合繊メーカーとの協業で開発した画期的な素材や、高品質な天然素材を使用したベーシックなデザインのブランドとして、世界中でシェアを拡大している。

同社のビジネスを支える各部門について紹介する。

1.R&D(デザイナー/パタンナー)

R&Dセンターは、ファッショントレンドや新しい素材などを常時リサーチしている。
商品が発売される約1年前に、マーチャンダイジング、マーケティング、素材開発などの部門「コンセプト会議」を開き、デザインコンセプトを決める。
このコンセプトに沿ってデザイナーがデザインを起こしサンプルを作成している。

2.マーチャンダイジング(商品企画)

マーチャンダイジングは商品の企画から生産までの過程で重要な役割を担っている。
各部署とコミュニケーションをとり、季節ごとの商品の企画とデザインなどを決めている。
各シーズンの商品構成や生産数量の決定もマーチャンダイジングが担っている。

3.素材開発・調達

世界中の素材メーカーと直接交渉することで、高品質な素材をリーズナブルで大量に安定調達している。
また、大量に素材を発注することで、競合他社よりも有利な条件を得ることが可能となっている。
コア商品の素材開発では機能性、着心地、風合いなどを徹底的に検討し、改良を重ねている。
薄いのに高い保温性を有するヒートテックは今日では秋冬には欠かせないアイテムとなったが、これは同社と東レが協業で糸から素材を開発した。

4.生産工場

同社はすべての商品の生産を中国、ベトナム、バングラデシュ、インドネシアなどの工場に委託しており、自社工場は持っていない。
縫製工場や主要素材工場に対しては、労働環境・環境保全のモニタリングなどを実施し、正常に生産がなされていることを確認している。

5.マーケティング

マーケティング担当はシーズンごとにヒートテック、ウルトラライトダウンジャケット、エアリズム、ブラトップなどコア商品を対象に、キャンペーンを実施している。
キャンペーン期間中は、商品の特性や機能性などをテレビCMなどで広く告知し、また、毎週金曜日には、新聞折込みチラシ、Eメール、SNSなどを通して、シーズンごとの新商品を期間限定価格で提供し、集客を図っている。

6.店舗

18年8月末の国内ユニクロの店舗数は827店舗、海外ユニクロは1,241店舗まで拡大している。
18年8月期の国内ユニクロ事業店舗当たり売上高は9.7億円、社員一人当たりの売上高は3,000万円で高い生産性を有している。

7.Eコマース

Eコマース事業は、近年日を追うごとに重要性が高くなっている。
特に国土が広く店舗まで距離がある中国大陸ではEコマースの売上高構成比が約15%、米国でも20%強となっている。
日本ではこの比率は7.3%であるが「ユニクロ店舗受取り」「コンビニエンスストア受取り」などのサービス拡大により普及が進んでいる。
今後はEコマースで買える特別サイズや特別商品、セミオーダー商品などの品揃えを充実させ同事業の拡大を図る方針。

ファーストリテイリングの業績推移

株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

ファッション・アパレル業界レポート

一覧を見る