アパレル・消費財・化粧品メーカーの動向と業界の注目企業「ファーストリテイリング」

2019年07月16日

■化粧品各社の業績は好調に推移している。
資生堂は2018年12月期営業利益が史上初めて1000億円の大台を突破し、コーセーの19年3月期営業利益も2ケタ増となる560億円が期待される。

■資生堂は収益性の高い高級ブランドを国内外で強化している。
特に近年成長が著しいのは中国事業で、18年12月期の売上高は前の期と比較して32%伸び、1907億円まで増加した。
この水準は全社売上高1兆948億円の17%におよび、売上高構成比は日本事業の41%に次ぐ。
中国事業では、「SHISEIDO」、「Clé de Peau Beauté」、「IPSA」、「NARS」などのプレステージブランドが高成長を持続し、コスメティクスブランドでは“メイド・イン・ジャパン”ブランドである「ELIXIR」や「ANESSA」が大きく伸長。EC(電子商取引)は、プレステージやコスメティクスの商品を積極展開したことに加え、デジタルを活用したマーケティングの展開や、中国のネット通販大手との協業の強化などにより、大きく成長した。

■コーセーの18年4-12月期売上高も前年同期比10%増加の2478億円となり6年連続で同期間の売上高としては最高を更新した。
ハイプレステージ領域において、国内外の百貨店を中心に「リポソームREDキャンペーン」を展開した「コスメデコルテ」が業績をけん引。
また、プレステージ領域においては、国内では、薬用シワ改善クリーム「ザ リンクレス」(医薬部外品)を発売した高効能特化型ブランド「ONE BY KOSÉ」が好調に推移している。

■ファーストリテイリングに代表されるファストファッションに押され、従来からの婦人服、紳士服アパレルは苦戦が続く。
オンワードホールディングスは「23区」「組曲」など40を超えるブランドを展開するが、近年業績は低下基調にある。
14年2月期には売上高2800億円、営業利益100億円を超えていたものの、19年2月期では売上高2430億円、営業利益41億円程度まで減少するもよう。
ファストファッションへの流れが逆境となっている。

■紳士服最大手である青山商事の業績は、08年3月期と18年3月期を比較すると全社売上高は2137億円から2548億円に伸びているものの、主力のメンズビジネスウェアの販売が伸び悩み、営業利益は229億円から205億円に減少している。

アパレル・消費財・化粧品メーカー業績推移

業界の注目企業…ファーストリテイリング

ファーストリテイリング業績推移

セグメント別売上

■ファーストリテイリングの18年8月期業績は、売上収益が前期比14%増加し2兆1300億円、営業利益が同34%増加し2362億円となり過去最高を更新した。
国内ユニクロ事業が安定的な増収増益を続けていることに加え、海外ユニクロ事業が高い成長を示している。

同期海外ユニクロ事業売上収益は前期比26%増加し8963億円となり、国内ユニクロ事業売上収益8647億円を超えた。
海外ユニクロ事業の地域別動向としては、グレーターチャイナで、ユニクロのLifeWearのコンセプトが浸透し、エリアごとの商品構成が確立。
これらのことにより期を通して既存店売上高の増収が継続した。EC販売も好調で、売上高構成比は15%に上昇している。
東南アジア・オセアニア地区においても、UT、ショートパンツの販売が好調で、既存店売上高の2ケタ増収が続いた。

■ファーストリテイリングはZARAを展開するインディテックス、H&M、GAPなどと並び世界有数のアパレル企業となっている。
17年度決算では世界のファストファッション大手の中でも、ファーストリテイリングの増収率は最も高くなっている。
一方、米衣料大手GAPは18年度決算によると、「GAP」ブランドは世界の既存店ベースで前年度比5%の減収となり苦境にある。
今後2年間で約230店舗を閉め、「OLD NAVY」は別会社として切り離す方針。

世界のファストファッション大手業績比較


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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