製造業(メーカー)
目薬、スキンケアなど一般医薬に強み
医薬品
2019年10月24日
>
ロート製薬は一般用医薬品目薬で世界トップ
ロート製薬は一般用医薬品目薬で世界トップブランドの地位を確立しているほか、「肌 研(ハダラボ)」などスキンケア商品にも強みを有している。
次々とヒット商品を生み出し、また近年ではインバウンド需要の取り込みや、アジアを中心とした海外現地販売も拡大しており、2010年3月期から19年3月期に売上高は1,134億円から1,835億円に、営業利益は125億円から208億円に伸び業績は拡大基調にある。
13 年に再生医療研究企画部を設立して以降、再生医療研究にも注力しているスキンケア、目薬で培った「細胞を扱う技術」と「無菌製剤技術」をもとに、スキンケアに次ぐ次世代の事業を育成することを目的としている。
白いハトが飛ぶCMなどで高い認知度
ロート製薬の歴史は、1899年に前身となる信天堂山田安民薬房が大阪にて創業されたところまでさかのぼる。同年に胃薬「胃活」の製造販売を開始した。
1909年に点眼薬「ロート目薬」を発売、31年に目薬で業界初の滴下式タイプの瓶を開発し業界を席巻した。49 年には、代表製品である目薬の名に会社名を変更し、ロート製薬となった。
70年には「子ども V・ ロート」を発売し、小学生が水泳事業の後には目薬を差すことが習慣化していった。75年にメンソレータムブランドの取得により第三の柱スキンケア領域へと進出した。
88年に米メンソレータム社を買収し、世界の100ヵ国以上の国々に広がるネットワークを獲得し、これをプラットフォームにアジアを中心にグローバル展開をはじめた。
2001年にはビューティ事業に進出し「Obagi」を発売。04 年には「肌研(ハダラボ)」の発売を開始しヒット商品となり、現在ではこれらのスキンケア商品がアイケア商品の売上高を上回る規模となっている。
また同社は一般用医薬品が主力であるため、消費者への認知度は重要である。このため広告・宣伝、販売促進活動にも熱心である。
1970年代から90年代初頭にかけては当時の人気番組であった「クイズダービー」のスポンサーを担い、96年4月から2010年3月まではSMAP×SMAPの単独スポンサーをつとめた。
番組の冒頭で、ロート製薬の大阪本社工場から白いハトが飛んでいる姿を目にした人は多いと思われる。
「肌研(ハダラボ)」の成功などにより現在ではスキンケア関連の売上高が全体の65%を占め最大となっている。これに目薬などのアイケア関連、胃薬などの内服・食品関連が続いている。
またグローバルに事業を展開している。世界110ヵ国以上で事業を展開し、19年3月期売上高1,835億円のうち、国内が1121億円、アメリカが92億円、ヨーロッパが85億円、アジアが516億円を占め、海外売上高比率は40%に迫る水準となっている。
NEVER SAY NEVERをスローガンに新事業に積極的
16 年より、コーポレートスローガンを NEVER SAY NEVER に変更している。日本語に訳すと、不可能は絶対にないという意味になる。
これまでに培った製薬事業をベースとして、今後はライフスタイル事業、最先端医療事業へと事業領域を拡大する方針。