国の政策に大きな影響を受ける医薬品業界。近年も大幅な薬価改定、ジェネリック医薬品の普及、ブロックバスターの相次ぐ特許切れなどが影響し、製薬企業は従来のビジネスモデルの再構築を迫られています。大型の企業買収や子会社の再編などの動きが活発な業界です。
新薬開発に関しては、抗体医薬、バイオ医薬品が主流になっていき、開発難易度は高まっていきます。自社のみでの創薬には限界がきており、バイオベンチャーなどとの連携やライセンス導入・導出などがますます活性化していく事が予想されます。
国内における医療用医薬品市場では、武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共、中外製薬、ファイザー、MSD、GSK、ノバルティスファーマなどが主要なプレイヤーとなっています。
- 業界売上総計(Edinet掲載企業)15兆1,754億円
- 業績伸び率※99.07%
- 収益性※11.78%
- 平均年収 731万円
- 求人倍率--倍
※業績伸び率:(前年度売上÷前々年度売上×100)から算出した値
※収益性:(営業利益÷売上×100)から算出した値
この業界の従業員の評価
- 総合評価 3.2 725 reviews
- 平均有給取得日数 10.9 日
- 平均残業時間 29.0 時間
カテゴリ別評価
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人事評価の適正感3.0
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ワークライフバランス3.4
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女性の働きやすさ3.5
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企業の成長性・将来性3.2
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給与・待遇面の満足度3.2
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経営陣の手腕2.8
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顧客志向度3.3
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自己成長環境3.2
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企業の安定性3.3
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事業の社会貢献実感3.5
企業の雰囲気・風土
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- 社風
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保守的 革新的
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- 仕事の進め方
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決められた進め方 裁量の大きい
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- 職場の雰囲気
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落ち着いている 活気がある
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- 風土
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トップダウン ボトムアップ
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- 意思決定のスピード
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品質・信頼性重視 スピード重視
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- 評価ウエイト
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個人評価 チーム評価
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- 給与体系
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年功序列 成果主義
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- 異動頻度
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多い 少ない
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- すごく
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- お勧めしたい
- 普通
- あまりお勧めしない
- お勧めしない
経済動向
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2019年10月24日
目薬、スキンケアなど一般医薬に強みロート製薬は一般用医薬品目薬で世界トップロート製薬は一般用医薬品目薬で世界トップブランドの地位を確立しているほか、「肌 研(ハダラボ)」などスキンケア商品にも強みを有している。次々とヒット商品を生み出し、また近年ではインバウンド需要の取り込みや、アジアを中心とした海外現地販売も拡大しており、2010年3月期から19年3月期に売上高は1,134億円から1,835億円に、営業利益は125億円から208億円に伸び業績は拡大基調にある。13 年に再生医療研究企画部を設立して以降、再生医療研究にも注力しているスキンケア、目薬で培った「細胞を扱う技術」と「無菌製剤技術」をもとに、スキンケアに次ぐ次世代の事
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2019年09月02日
医薬品メーカーの動向と業界の注目企業「中外製薬」 -
2019年05月31日
医薬品メーカーの最近の動向
業界動向・業績
2017年 | 2018年 | 2019年 | |
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業界売上総計 (Edinet掲載企業) |
17兆8,944億 | 15兆3,181億 | 15兆1,754億 |
前年からの伸び率 | 100.76% | 85.60% | 99.07% |
収益性 | 11.28% | 12.02% | 11.78% |
業界トレンドワード
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- オープンイノベーション
- 製薬産業に構造改革が求められる中、国としてもオープンイノベーションを支援する動きが出ています。製薬企業とアカデミア、バイオベンチャー、医療機関、行政などが積極的に連携をし、創薬力を向上させる目的です。例えば国内売上トップの武田薬品工業は2018年4月に自社敷地内に『湘南アイパーク』を開所しました。最先端の技術を持つ研究者、企業などが集まるプラットホームを目指しています。
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- Health Tech
- 医療(Healthcare)とテクノロジー(Tech)を掛合わせたものです。医療の業界では、一般にIT化が遅れている業界と言われています。病院の現場では、未だに紙媒体での文書管理が多く、待合室の混雑も問題や、薬剤管理方法などのIT化によって解決できる問題が残っています。近年のトレンドとしては、これらの課題解決のソリューションを解決するサービスやアプリケーションを提供するベンチャー企業が増加しています。
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- リアルワールドデータ(RWD)
- レセプトや電子カルテの様な、患者単位の匿名化情報の事を表します。大手製薬企業を中心に、これらのデータの有効活用を重点戦略においています。具体的には、これまでの臨床試験だけでは分からなかった医薬品の実用性や安全性のリアルな情報を収集・分析する事で、新薬開発の効率化や新たなヘルスケアサービスの創出に役立てる事ができるようになります。
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- 新薬創出加算
- もとはドラッグラグの問題を解消し、革新的新薬の創出や未承認薬の開発を促進する目的で導入された制度。後発医薬品が出ていない新薬の薬価を下がりにくくする事で、次の新薬開発へのモチベーションを高める効果がありました。2018年4月の薬価改定で大きな焦点となったのは、この制度の対象となる要件の大幅な見直しです。医療費削減の為、この制度の恩恵を受けれない医薬品が増加しました。製薬企業各社にとって、開発がより厳しい状況となりました。
業界の転職動向としては、メガファーマと呼ばれる大手企業を中心にMRの求人は減少しています。画期的な大型新薬の上市が減少している事、訪問規制の問題、eディテール化などの要因です。
一方で外部企業との提携やライセンスの導入・導出を担当する事業開発職のニーズは高まっていると感じます。いずれのポジションにおいても、マンパワー不足を解消する採用というよりも、特定の専門領域に対する深い知見を求められる傾向にありますので、専門性の高いスキルを保有しておく事が、自身の市場価値を上げる事になります。
一般に福利厚生が充実し、給与水準も高い業界ではありますが、それらが整っていなかったとしても、将来性を感じるバイオベンチャーも転職の選択肢にいれておくと、キャリア選択の幅が広がります。