美食JAPANを世界で展開

2019年10月17日

食品メーカー

食品メーカーも主戦場は海外

食品メーカーは、一般的に国内需要に基づいて事業を展開しているイメージがあるが、大手企業については自動車、エレクトロニクス、機械などと同様に、海外で事業の拡大を図っており、海外売上高比率が高くなっている。
直近決算期における海外売上高比率はアサヒグループホールディングスが33%、キリンホールディングスが17%、サントリー食品インターナショナルが45%、ヤクルト本社が45%、日清食品ホールディングスが27%、味の素が42%となっており、特にキッコーマンは60%と高い割合を占めている。


特選丸大豆しょうゆ.jpg

キッコーマンのしょうゆは、世界100カ国以上で愛用される

キッコーマンのしょうゆは現在、世界100カ国以上で愛用され、海外に7つの生産拠点をもつに至っている。

現在、海外販売で最大のウェイトを占める北米への進出は、第二次世界大戦後。日本を訪れるアメリカ人の多くがしょうゆに親しむ姿から、アメリカへの進出を決めた。
1957年に米国に販売会社を設け、スーパーを中心に肉にしょうゆを付けて焼き試食をしてもらうデモンストレーションを行い、しょうゆと肉料理との相性の良さを伝え広く普及していった。
地道なマーケティング活動の結果、しょうゆはアメリカの食文化に根付いていった。


73年にはウィスコンシン州に生産拠点を設け、現地生産を始め、made in USAのしょうゆが販売されるようになった。
現地生産の成功には経営の現地化がある。できるだけ多くの社員を現地で雇い、現地企業と多く取引機会をもつことで、アメリカ社会に溶け込んでいった。
これらの取り組みにより、現在ではアメリカの家庭の約半分でしょうゆは常備されており、「KIKKOMAN」は“Soy Sauce”の代名詞となっている。
そして、北米での売上高は1,979億円となり(19年3月期)、国内売上高1,837億円をも上回る規模となっている。

キッコーマン業績推移


キッコーマンの業績は拡大傾向が続いている。売上高は10年3月期から19年3月期にかけて2,856億円から4,535億円に58%増加し、営業利益は210億円384億円に82%増加した。
この間の成長を特にけん引してきたのは、海外事業である。同期間の国内売上高の伸びが1,796億円から1,960億円で9%であるのに対し、海外売上高は1,239億円から2,856億円に増加し2.3倍に伸長している。

キッコーマン事業別業績

21年3月期までの中期経営計画では、グループ重点課題として高付加価値化の推進、生産性の向上、新たな柱の構築を挙げている。
海外食料品製造・販売事業では、北米においては、減塩・グルテンフリー等の高付加価値商品を拡大させ、欧州ではTVCM、インターネット広告等による認知度向上、アセアンでは国ごとの嗜好・食材に合った新商品・レシピ開発を行い、19年3月期から21年3月期の3年間で平均6%の売上高成長を目指している。

海外食料品卸売事業では、国内外において東洋食品等を仕入れ、ローカルマーケットなどに販売している。
近年の日本食ブームにのり、当事業も拡大が続いており19年3月期から21年3月期の3年間で平均8%の売上高成長を目指している。

海外食料品卸売事業の19年3月期売上高は1,921億円で、海外食料品製造・販売事業同期売上高935億円の2倍の規模がある。
営業利益は海外食料品卸売事業が85億円、海外食料品製造・販売事業が187億円だった。

国内事業では、中計期間中に年平均3.6%の売上高成長を目標としている。しょうゆ・しょうゆ関連調味料では、特選丸大豆まろやか発酵、だししょうゆなどのラインアップを拡充し、減塩・低塩商品を強化する。
飲料部門では、健康志向の高まりを背景に、特定保健用食品の商品や、「チョコミント」などの豆乳飲料、無調整豆乳が伸びている。また、デルモンテ飲料では、「リコピンリッチ」や、無塩トマトジュース、無塩野菜ジュースが好調に推移している。

これらの施策を通して、同社では21年3月期に売上高5,000億円、営業利益450億円を目指すとしている。



株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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