食品メーカーの動向と業界の注目企業「ハウス食品グループ本社」

2019年08月23日

食品メーカーの最近の動向

アサヒグループホールディングスは、高価格のプレミアムビールの世界展開を成長戦略の柱にし、2016年から17年に欧州で複数の大型買収を実行した。
これらの施策により増収増益が続いている。

キリンホールディングスは、新ジャンル商品「本麒麟」が好調に推移している。
同商品は18年3月の発売開始以降、同社史上最速約10カ月で販売量は1,000万ケースを突破した。
健康関連や海外クラフトビールで成長を図る。

サントリー食品インターナショナルは、サントリーホールディングス傘下で清涼飲料水の製造販売を手掛ける。
アジア既存事業の成長加速、展開エリア・事業領域の拡大、多国展開ブランドの育成で成長を図る。

日本ハムは、牛・豚・鶏の飼育から加工までの一貫生産が最大の特長である。
19年3月期は、国産豚肉や国産鶏肉の相場下落により出荷価格が低迷し、大幅減益の見通しとなっている。

明治ホールディングスでは、近年、健康志向を背景にプロバイオティクスヨーグルトやハイカカオチョコレートなどが成長をけん引したが、18年4-12月期はこれらの売上高が減収に転じていた。

味の素の冷凍食品事業は、これまで成長のけん引役であったが、足元では国内外で苦戦が続いている。
国内では主力品の「やわらか若鶏からあげ」、「ザ★チャーハン」が競争激化の影響などにより減収となり、海外冷凍食品では米国における物流費の高騰により、生産性改善が遅れた。
この結果、18年4-12月期の事業利益は前年同期比8%減の742億円となった。

山崎製パンは、製パン国内首位。19年12月期は食パンや菓子パンの値上げが浸透し、収益性は一定の回復が見込まれる。近年売上高は1兆円超、営業利益は300億円前後での推移が続いている。

コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスは、日本コカ・コーラのボトラー会社。
日本コカ・コーラが、製品開発・マーケティング・プロモーション・原液の製造を行うのに対し、同社はボトラーとして国内38都府県において、仕入れた原液を元に清涼飲料水を製造し出荷している。
18年7月の西日本豪雨で本郷工場(広島県三原市)が被災し操業が止まり、製造の外部委託、物流費の負担が増加したことで、18年12月期は大幅減益となった。
19年12月期もこの傾向が続く見通し。収益悪化に対応するために同社では2月に約700人の希望退職を募集した。

食品メーカー企業業績

業界の注目企業…ハウス食品グループ本社

ハウスグループ業績推移(出所:決算短信をもとにフィスコ作成)

カレー首位のハウス食品グループ本社の成長性が高まっている。
国内では単身生体また共働き世帯の増加などにより、簡単に調理できるレトルトカレーの需要が増加し、海外では東南アジアおよび中国でカレールーの販売が伸びており、16年3月期以降、増収増益が続いている。

18年3月期の売上高は2,919億円で、事業別の内訳は、①日本国内でルウカレー、ルウシチュー、レトルトカレー、スパイス製品などの家庭用製品のほか、業務用製品の製造販売を行う香辛・調味加工食品事業が1,399億円、②日本国内で、「ウコンの力」や「C1000」、「メガシャキ」をはじめとした健康食品・機能性飲料の製造販売や通信販売を行う健康食品事業が315億円、③主に米国や中国、東南アジアにて、豆腐などの大豆関連製品やカレー製品、機能性食品の製造販売を行う海外食品事業が228億円、④国内外で日本式カレーを提供するレストラン「カレーハウスCoCo壱番屋」を経営する外食事業が519億円、⑤物流事業や総菜等の製造販売、食品の分析、食材の輸入販売などを展開するその他食品関連事業が610億円である。

ハウスグループ 円グラフ

中期経営計画では、21年3月期売上高3,100億円、営業利益220億円を目標としている。成長のけん引役は、香辛・調味加工食品事業と海外食品事業。
香辛・調味加工食品事業では、レトルトカレーの収益力向上、温度帯の提案力強化を図る。
また海外事業では、中国において生産能力増強によりカレー事業の強化を図り、米国では豆腐生産供給体制の整備と大豆新事業の創出を図る。


株式会社FISCO

1995年に設立、2006年上場。金融情報配信会社として、株式、為替、債券、仮想通貨といった金融情報を幅広く取り扱う。各投資市場に対する深い理解と洞察に基づき、初心者からプロまで、投資家を支援する各種金融サービスを提供している。 全国の金融機関約250社向けに金融情報を提供しているほか、個人向けではヤフーファイナンス、LINEニュース、SmartNews、Gunosyなど、国内の主要なサイトやアプリに金融・経済系コンテンツを提供している。

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