臨床開発に関わる受託事業であるCRO・SMO業界は、医療業界のなかでも堅調に成長している業界です。製薬会社は新薬開発の難易度上昇を背景に、研究開発費の上昇に課題感を抱え、コスト削減のためにアウトソースを積極的に行なっています。そのため、製薬会社では臨床開発に関わる人員を削減する傾向にあり、CROの臨床開発受託事業への需要はますます高まっています。
業界特徴として、CRO・SMO業界は企業合併や子会社化が活発で、業界再編のスピードが早いことがあります。外資CROを中心とした再編の動きが挙げられます。例として、クインタイルズとIMSヘルスが統合してIQVIAへ、INCリサーチとインヴェンティブ・ヘルスが一緒になり、サイネオス・ヘルスが設立されました。
- 業界売上総計(Edinet掲載企業)1,826億2,956万円
- 業績伸び率※97.55%
- 収益性※6.16%
- 平均年収 612万円
- 求人倍率--倍
※業績伸び率:(前年度売上÷前々年度売上×100)から算出した値
※収益性:(営業利益÷売上×100)から算出した値
この業界の従業員の評価
- 総合評価 3.1 72 reviews
- 平均有給取得日数 9.3 日
- 平均残業時間 30.4 時間
カテゴリ別評価
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人事評価の適正感2.9
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ワークライフバランス3.0
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女性の働きやすさ3.3
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企業の成長性・将来性3.3
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給与・待遇面の満足度3.0
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経営陣の手腕2.9
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顧客志向度3.5
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自己成長環境2.7
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企業の安定性3.4
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事業の社会貢献実感3.3
企業の雰囲気・風土
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- 社風
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保守的 革新的
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- 仕事の進め方
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決められた進め方 裁量の大きい
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- 職場の雰囲気
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落ち着いている 活気がある
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- 風土
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トップダウン ボトムアップ
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- 意思決定のスピード
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品質・信頼性重視 スピード重視
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- 評価ウエイト
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個人評価 チーム評価
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- 給与体系
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年功序列 成果主義
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- 異動頻度
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多い 少ない
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- 普通
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経済動向
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2019年09月24日
業界世界首位IQVIAグループのCRO市場の考え方IQVIAジャパンは、米国を本拠にグローバルにライフサイエンス分野のデータ、テクノロジー、分析力、専門知識を駆使してソリューションを提供するIQVIAの事業を日本で展開している。IQVIAグループは、グローバルに58,000人の社員を擁し、100以上の国と地域で事業を行っている。2019年にはフォーチュン誌の『世界で最も賞賛される企業』にも選出されており、ライフサイエンス領域でのサービス・ソリューションプロバイダーとしてのグローバルリーディングカンパニーである。日本では、CRO事業(開発業務受託機関)とCSO事業(医薬品販売業務受託機関)を主とするIQVIAサービシーズ ジャパン医療・ヘルスケ
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2019年07月31日
CRO・SMO業界の動向と業界の注目企業「EPS」 -
2019年05月08日
CRO・SMO業界の最近の動向
業界動向・業績
2017年 | 2018年 | 2019年 | |
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業界売上総計 (Edinet掲載企業) |
1,790億5,673万 | 1,872億1,203万 | 1,826億2,956万 |
前年からの伸び率 | 103.22% | 104.55% | 97.55% |
収益性 | 6.61% | 7.01% | 6.16% |
業界トレンドワード
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- グローバルスタディ
- 日本だけでなく、米国・欧州・アジア圏など複数のエリアで世界共通の基準のもと進められる国際共同治験を指します。いまやグローバルスタディは主流となってきており、日本だけで進めるローカルスタディの割合は、減少トレンドにあります。グローバルスタディにおいては、外資グローバル製薬メーカーとやりとりすることになるため、SOP(標準作業手順書)や、モニタリング報告書が英語である場合も多く、英語を使う機会が多くなります。
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- リスクベースドモニタリング
- RBM(Risk-Based Monitoring)では、CRAの仕事の一つに、実際に医療施設に訪問し、治験が適切に実施されているかをチェックすることが挙げられますが、各施設を一律に扱うのではなく、リスクの可能性の高い施設について優先的に訪問回数を増やします。これによって、新薬開発にあたって最もコストがかかると言われる治験を効率的に進める狙いがあります。
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- ラインマネージャー
- 一般的に、外資CROでは、CRAの教育や人事評価を行う専任者としてラインマネージャーを置いていることが多いです。そのほかCRAに対しては、プロジェクトマネージャーが仕事の実働上の上長として置かれています。一方で、日系CROでは、プロジェクトマネージャーがラインマネージャーを兼ねている場合が多いです。
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- 臨床研究
- 既に製造販売承認の下りた医薬品や医療機器について、承認された以外の効能でも使用できるようにするための治験です。新薬開発の難易度が上昇している昨今、既に承認された医薬品・医療機器の価値を再発見する取り組みも積極的に行われています。
以前は臨床開発に関わる人材の希少性は高かったですが、いまでは各CROが100名規模で新卒採用を行うなど、業界に勤める母数が増加しています。そのため、2016年頃までには活況であった「未経験枠」がかなり制限されており、全体的に採用ハードルが上がっています。経験者については求人も非常に多く、売り手市場と言えますが、同様に採用のハードルが上がってきているのが実情です。
特にCROについては、フレックスタイム、在宅勤務、有給取得など、働きやすさ向上への取り組みは各社非常に積極的で、女性で活躍されている方も多いです。
SMOについては、例えばCRC(治験コーディネーター)ですと、実際に治験薬を服用している被験者の方と密に接することになります。新薬を世の中に出すことに関われることは、仕事の大きな魅力の一つです。ただし、その治験薬が「がん」などの命に関わる疾病を対象にした医薬品ならなおのこと、相応の責任感も強く求められる仕事です。