2019年09月11日

「Will」「Can」「Must」が決め手!キャリアプランの立て方をプロに聞く

キャリドア編集部

2019年09月11日

より自分の希望に合った働き方をしていくためには、自分のキャリアプランをしっかり見据えることが大切です。パソナ人材紹介事業本部(以下:パソナキャリア)の山崎将吾に、キャリアプランとは何なのか、キャリアプランの立て方について話を聞きました。

キャリアプランは仕事における人生の道しるべ

キャリアプランは仕事における人生の道しるべ

目次



人生100年時代といわれる昨今、より自分の希望に合った働き方をしていくためには、自分のキャリアプランをしっかり見据えておくことが大切です。しかし、目の前の仕事に精一杯で、キャリアプランを持たずに、ただ仕事をこなしているという人もいるでしょう。

そこで、国家資格である「キャリアコンサルタント」の資格を持ち、パソナキャリアにおいて、長らくキャリアアドバイザーとして転職支援を行っている山崎将吾に、キャリアプランとは何なのか、キャリアプランの立て方について聞きました。

キャリアプランは仕事における人生の道しるべ

――そもそも、キャリアプランとはいったい何なのでしょうか?

山崎:働く場所や仕事の内容には、たくさんの選択肢がありますよね。その選択肢の中から、自分がどんな場所で、どんな仕事をして、自らのキャリアを作っていきたいかという計画がキャリアプランです。

キャリアプランは、明確な型があるものではないので、「どんな仕事がしたいか」「何歳で年収はいくらくらい欲しいか」という自分の希望や、こだわりたい部分を具現化して整理していくことで、キャリアプランを立てていきます。「どんな生き方をしていきたいか」まで考え抜くことができると、より深いキャリアプランになりますね。

しかし「面接のときと入社してからの仕事内容が違った」「長時間労働が当たり前」「セクハラ・パワハラを受けている」といった理由は、職場環境の要因が大きいため、状況を早急に改善させることが難しく、仕事に行きたくない気持ちを解消するまでに時間がかかってしまうことが多いです。

――つまり、自分のスタンスを定めていく作業ということでしょうか?

山崎:そうですね。とはいえ、固く考える必要はありません。道しるべのような、大まかな方向性を持つというくらいの認識でいいんじゃないかと思います。

特に今は、とても変化の速い時代です。例えば、「5年後に会社の管理職になりたい」というキャリアプランを描いていたとしても、「5年後にその役割は本当にあるのか?」という問題が出てきます。予期しない異動があるということもあるでしょう。

そんなときに、例えば「何のために管理職になりたいのか」という方向性を自分なりに理解しておけば、仮に目の前の道が閉ざされたとしても、違う手段として転職や独立など多様な選択肢を検討することができます。

仕事をする上で、「自分が何を大切にしたいのか」を明確化・言語化しておき、それ以外の流れに身を任せる部分は、いくつかの選択肢を検討してみるのが良いと思います。

山崎さん2

3つの視点、「Will」「Can」「Must」で考える

――具体的なキャリアプランは、どのように立てればいいのでしょうか?

山崎:キャリアプランは、「Will」「Can」「Must」の3つの視点で考えましょう。

最初の「Will」は、やりたいことですね。先ほど複数の選択肢を持つのが良いと言いましたが、人は選択肢が増えすぎると、結論を後回しにしてしまう特徴を持っています。ある程度まで選択肢をしぼるために、大まかな方向性を決めていきます。

具体的な「◯◯業界に行きたい」というよりは、「これが好き」「こんな生き方がしたい」といった抽象的な方がよいでしょう。はっきりと「こういう業界でこういう仕事がしたい」という希望を持っていても、必ずしも叶うとは限りません。ダメだったときにほかの選択肢が見えずに、迷いが生じることがあります。

やりたいことがある場合、「なぜそれがやりたいのか」を自分に問いかけてみてください。自分の価値観を深掘りして、本質的な動機を見いだしていくことが大切です。そうすれば、ひとつの選択肢が実現しなかったとしても、ほかの方法を探していけるので、より柔軟にキャリアを考えていくことができるでしょう。

――「Can」についてはいかがでしょうか。

山崎: 「Can」は、できること「専門スキル」と「ポータブルスキル」の2つに分けられます。特に転職においては、自分の言葉のみで自己PRしなくてはなりません。そのためにも、自分自身を把握しておくことが重要です。

「専門スキル」は、特定の業界や職種で活かせるスキルのことです。営業や企画、エンジニアなど、これまでに経験してきた仕事によって得られた特定のスキルですね。「◯◯業界で××という仕事に携わった」といった経験や日々の業務で行っていることなどが専門スキルになります。

「ポータブルスキル」は、仕事の進め方や個人の性格からもたらされるスキルで、持ち運び可能なスキルともいわれています。これは、業種や職種が変わっても活かすことができる、いわゆる「長所」にあたりますね。「長所がありません」という方も多いのですが、そういうときは、上司にほめられたことや、お客様に感謝されたことを思い出してみてください。

――最後に、「Must」について教えてください。

山崎:「Must」は求められることです。社会がどのような方向に向かっていて、その中でどんな仕事が必要とされ、どんな仕事が淘汰されていくのか、ということですね。

時代の流れを無視したキャリアプランを設計してしまうと、希望の仕事が将来なくなっていくこともあります。

――「Must」はどのように見つけていけばいいのでしょうか。

山崎:マクロの視点では、ニュースやネットで、日本の経済の現状と、今後どうなっていくのかという情報をつねに仕入れておくことです。そうすれば、今後どの業界が伸びるか、どんな仕事が増えていくのかということを知ることができるでしょう。

ミクロの視点では、志望している企業の社風や仕事内容、募集の背景についての情報を収集することが必要です。人事担当者になったつもりで、その会社が希望している人物像をイメージしてみてください。これは、面接でどのようなアピールをしていけばいいかを考える上でも役立ちます。

――これらの視点を踏まえ、最終的にはどのようにキャリアプランを立てればいいのでしょうか。

山崎:「キャリアプランを立てる」というのは、ひとつの道筋を決めるということではないと考えています。「最終的なキャリアプラン」を固めすぎると、自分を育てるための機会も限定されてしまいます。

もっと流動的に得られた機会を活かしていくことで、次の方向性が見えてくることもあるでしょう。「この仕事は自分のしたいことではない」と思い込んでいたことが、思わぬところでキャリアにつながるというのはよくある話です。

まずは、この「Will」「Can」「Must」の視点から、自分が何を大切にしたいのか、仕事をする上での方向性を決め、それに沿ったチャレンジをしてみましょう。その経験をもとに、さらに軌道修正を加えていきます。

キャリアプランは、1回立てたら終わりというものではありません。3つの視点を軸に自己分析を繰り返しながら、ブラッシュアップしていくという姿勢が大切です。

山崎さん3

転職エージェントを活用してキャリアプランを立てる

――改めてキャリアプランを考えてみようと思っている方にアドバイスをお願いします。

山崎:自分のキャリアを考えるときに、どうしても思い浮かびやすいのは、具体的な「この仕事をやってみたい」「この業界に行ってみたい」ということだと思います。

しかし、大切なのは、「どうして自分はそれをやりたいのか」ということを深掘りしていくことです。

私たちは「なぜなぜワーク」と呼んでいるのですが、「なぜ」を5回繰り返すと、より本質に近づいていくんですね。仮に、人事がやりたいと思ったら、「なぜ人事をやりたいと思うのか」それに対して、例えば「人のためになることをしたいと思った」という答えが出たら、「なぜ人のためになることをしたいと思うのか」と考えていきます。そう考えていくと、「新卒の就職活動の時に出会った人事担当者に相談に乗ってもらったことがきっかけで、人の悩みを解決してあげることが働く動機になっている。」というようなことが見えてきたりします。

このように「なぜ」を繰り返すことで、本質的に自分がやりたいことが出てきて「人事がやりたいと思っていたが、本質的な希望は人事ではない仕事でも叶うのではないか」ということがわかり、チャレンジの選択肢を増やすことができます。

このワークは、自分一人で考えることもできますが、人に話すことで、より理解が深まるということもあります。特に、キャリアプランを考えるときの「Will」「Can」「Must」のうち、「Will」と「Can」は、人に発信することで、新たな視点が見えてきたり、未来が開けたりするものです。周りの友達や家族に対して、常に自分が何をやっていきたいかを発信していくことがプラスになると思います。

――「Must」についてはどうすればいいのでしょうか。

山崎: 「Must」は、自分や自分の周りの人だけではなかなか解決できない部分ですから、転職エージェントなどの専門的な情報を持っている人に頼るのがおすすめです。

特に、中途採用の場合は、新卒採用に比べて情報が圧倒的に少なくなってしまいます。その点、転職エージェントは人事担当者と直接つながっていますから、求人票に出てこない情報や面接のポイント、具体的な質問内容まで情報収集することができます。

ただし、自分の中の「Will」と「Can」がある程度しっかりしていないと、自分が本当に手に入れたいキャリアではない方向に進められてしまうリスクがあります。事前に自分の中で軸を立てた上で、具体的な情報やアドバイスをもらうという使い方をしていくことができれば、より転職エージェントを効果的に利用できるでしょう。

山崎さん4


山崎 将吾(やまざき しょうご)

1984年三重県生まれ。(株)パソナ 人材紹介事業本部 プロビス統括ライフキャリアチーム チーム長。

人事として新卒採用を7年経験した後、30歳の時にパソナへ転職。求職者向けキャリアアドバイザーとして、約5年間で1,500人以上の転職をサポート。「人事視点を持ったアドバイザー」として多くの転職者を成功に導き、2015年度アドバイザー年間MVPを獲得。また2018年度には自ら企画運営を行った「自己分析講座」が、最も理念を体現した取り組みとして社内表彰された。現在は20代向けのキャリア形成を行うセミナー事業責任者として、多くの悩める若者のために力を注いでいる。


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